鍼治療が痛みの治療として主流に － アメリカ

　昨年の2023.11.18「鍼治療が痛みの治療として主流になる」という記事がアメリカのカリフォルニア大学メディシンのニュースサイトに掲載されました。

鍼治療がアメリカの全国の医療サービスに急増した理由の1つは、エスカレートするオピオイドの蔓延「オピオイド危機」だと言われています。

オピオイドとは麻薬性鎮痛薬を使用するとこで、「中枢神経や末梢神経に存在する特異的受容体であるオピオイド受容体への結合を介してモルヒネに類似した作用を示す物質の総称です。

そして「オピオイド危機」とは、依存性や中毒性のある麻薬物質「オピオイド」を含む処方鎮痛剤の過剰摂取によって、1990年代後半から今も、全米で50万人以上が死亡している社会問題です。

アメリカでは医療保険会社が承認すれば、適応に関係なくオピオイド鎮痛薬が処方できる環境にあります。

日本では法律上麻薬及び向精神薬取締法と保険診療規程による厳格な規制があり、現在ではがん患者の疼痛のみに処方が制限されている状態です。

今回のこの記事では、健康センターの鍼灸教育助手の医師が、現在は多くの患者がより安全な痛みの緩和方法に期待を持ち模索しています。

その一つとして、疾病管理予防センター(CDC)は、鍼治療の非薬理学的選択を助言しています。

1970年代にニューヨーク市に最初の鍼灸院が開設されて2018年1月時点で米国には37,886人の鍼灸師がいるということです。

鍼治療は、関節炎・慢性疼痛の治療およびがんの緩和ケアに有効であり、免疫系と循環に影響を与えると鍼灸教育助手は述べています。

鍼治療の現状を語っている部分は、次の内容です。

・鍼治療は慢性的な背中や首の痛みだけでなく、婦人科の痛み、月経痛、膝の痛み、関節の痛み、頭痛の患者など幅広い疾患の治療も行っている。

・COVID（新型コロナ感染）後遺症の患者は、バランス、ブレインフォグ、痛み、ストレス、不安の症状で鍼灸師のケアを求めている。

・また、鍼治療は血流に影響を与え、呼吸に影響を与え、免疫力を高め、体のあらゆるシステムに世界的な影響を与えることがわかっているので、広範囲な症状への治療に役立っている。