鍼治療は救急科での痛みを軽減できると試験で判明 - アメリカ
「鍼治療は救急科での痛みを軽減できると試験で判明」という記事がアメリカのデューク大学のサイトに掲載されています。(Duke University School of Medicine 2024.11.11)
デューク大学(Duke University)はアメリカ合衆国ノースカロライナ州ダーラムに本部を置く私立の名門大学で、伝統的に医学部が高い評価を受けています。
その附属病院は長年アメリカ国内の病院トップ10に位置していて、特に内科・麻酔科・外科・産婦人科などが優れているとみなされています。
そのデューク大学のサイトの記事に、鍼治療が救急科での痛みを軽減できる、と書かれています。
筋肉や骨格に関連する痛みにおいては、通常は薬物療法が使われますが、痛みのコントロールが上手くいかない場合は慢性の痛みに移行や増悪したり、オピオイドの使用増加につながるといわれています。
オピオイドというのは、鎮痛薬のひとつで、麻薬性鎮痛薬ともいわれます。使いすぎると依存症の問題も出てきます。
そして、デューク大学病院の救急科で実施されたランダム化比較臨床試験では、通常の薬物治療に加え、痛みの治療するために鍼治療を行うことで、通常の治療のみよりも痛みを軽減できることがわかりました。
そのことが書かれている部分を和訳し下記に引用させていただきます。
要点は次の通りです。
・筋骨格系の痛みは救急科で治療するのが本当に難しく、薬だけでは平均して痛みのスコアを1~2ポイントしか減らせない
・デューク大学医学部救急医学助教授で第一著者のステファニー・オイカー医学博士が述べている
・鍼治療を受けた患者では平均して少なくともその程度、あるいはそれ以上の痛みの軽減が得られた
・患者が薬だけですでに経験している痛みに加えて、鍼治療でさらに痛みが軽減されるという相乗効果があることが判明した
鍼灸治療による、人間の体の反応を利用した治療法は、今後ますます注目されていくことが期待されています。