鍼灸治療が自律神経に与えるメカニズム

最近の研究では鍼灸が自律神経のコントロールをどうするかどうかに関する科学的な根拠が徐々に解明されてきています。

昔から鍼灸は、東洋医学の本質として、体内のエネルギー（気）の流れを整えることを目指す治療法ですが、その効果についてはまだ明確な科学的根拠が確立されていない部分もあります。

一部の研究では、鍼灸が自律神経系に潜在性が示唆されていますが、これに関する結論は継続していません。例えば、鍼灸がストレスホルモンの分泌や心拍数の調整に影響を今後という報告もありますが、そのメカニズムや効果の継続性については現在でも継続研究が進められています。

ただし、現代医学の観点からは、鍼灸が自律神経のコントロールを他の方法よりも優れているという強力な証拠はありませんが、実際に患者の臨床では鍼灸によって自律神経失調症状の改善はよく見られることです。

鍼灸で使われるツボに鍼灸を施すと自律神経のコンピュータ部分の司令塔である視床下部に影響を与えます。

そして自律神経をコントロールする具体的なメカニズムについては、まだ完全に解明されているわけではありませんが、いくつかの暫定や研究結果があります。

神経伝達物質の変化

鍼灸が経穴や皮膚を刺激することによって、神経伝達物質やホルモンの分泌が調整され、視床下部やその他の脳の領域に考えられています。神経のバランスが調整される可能性があります。

セロトニンとエンドルフィンの放出

鍼灸が行われる際に、セロトニンやエンドルフィンなどの神経伝達物質が放出されるという報告があります。これらの物質は心身のリラックスやストレス軽減に関わっており、これによって自律神経の調整が行われる可能性がございます。

ニューロモジュレーション

鍼灸が神経系の活動を調整するニューロモジュレーション効果を持つとするものもございます。経穴や刺激箇所への鍼の刺激が、神経の信号伝達を変化させることで、視床下部を含む脳の現場の活動に影響を与えられています。

神経回路の再構成

長期的な鍼灸の施術によって、脳内の神経回路が再編成される可能性があります。このような変化が自律神経の調整に集中する可能性が考えられています。

以下は、鍼灸が視床下部に影響を与え、自律神経コントロールを行う可能性がある具体的なメカニズムです。

ゲートコントロール理論の応用

鍼灸が痛みや身体の不調を軽減するメカニズムの一つとして、「ゲートコントロール理論」が提案されています。この理論は、痛みを感じる神経信号が脊髄の「ゲート」を通る際に、他の刺激がそのゲートを閉じることで痛みが軽減されるという考え方です。

鍼灸の場合、経穴や皮膚への刺激が神経の活動を変化させ、痛みを感じにくい作用があるとされています。この刺激によって、痛みのゲートが閉じられ、その影響が脳に伝わります。床下部はこのプロセスに関与し、自律神経の調整に考えられています。

このメカニズムにより、鍼灸が痛みだけでなく、ストレスや不調の緩和にも適応する可能性があります。視床下部は、身体の状態を評価し、適切な反応を制御する役割を行っており、自律神経の調整に関与する中枢です。

自律神経へのツボ（経穴）効果については、鍼灸療法に関連する概念として議論していますが、科学的な証拠の徐々に解明されてきています。

よく見るツボで内関（ねいかん）というツボがあり、内関は腹部の中央に位置経穴で、このツボは、自律神経のバランスを調整し、ストレスや緊張の緩和に効果的です。

これらのツボがなぜ効くのかというと、そのメカニズムについてはまだ完全に解明されていない部分が多いですが、いくつかのまとめや研究結果を紹介しますと、

神経伝達物質の調整作用では、ツボ刺激が神経伝達物質の放出を促します。

例えば、セロトニンやエンドルフィンなど、心身のリラックスや幸福感に関与する神経伝達物質が放出されることで、自律神経のバランスが調整されるという実験結果もあります。

　当院にも自律神経のアンバランスで来意される方々も多く来院されますが、それらの症状に対して鍼灸治療は大変有効な治療と言えます。

自律神経の諸症状でお悩みの方は気軽にご相談下さい。