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がんの補完代替医療(ほかんだいたいいりょう)

がんの補完代替医療(ほかんだいたいいりょう)

厚生労働省がん研究助成金「がんの代替療法の科学的検証と臨床応用に関する研究」班

1.はじめに
がん患者さん(あなた)にとって、補完代替医療は非常に興味があることではないでしょうか。
医学的治療によって完治するという保証がない場合や、治療が終了しても再発の不安に悩まされている場合、患者さんは効果が明らかにされていない不確実な治療法であっても、民間療法などの補完代替医療をさまざまな理由から受けようとすることが多いと言われています。
そして、あなた自身や大切な家族の命が助かるかもしれないという希望や期待を抱きつつ、高額な費用のかかる補完代替医療を受け、身体的にも経済的にも大きな負担を負いながら、その補完代替医療を不安な気持ちのまま続ける人がいます。
一方、自分の体に合った補完代替医療と出会い、医師の行う治療を受けながらより快適な生活を維持して、がんとうまく付き合っている人もいます。
それでは、私たちは世間に氾濫しているさまざまな補完代替医療と、どのように付き合っていけばいいのでしょうか。
このガイドブックは、補完代替医療に関して出版されている書物や各国の研究機関の見解をもとに、補完代替医療に対する考え方や利用法について述べています。

 

これは、医療機関で 『がん』の治療を受けながら民間療法をはじめとする補完代替医療とどのように向き合い、利用したらよいのかを考えるためのガイドブックです。
決して個人の責任で実施するまざまな療法を制限するものではなく、また特定の療法を勧めるものでもありません。
このガイドブックが、今後の治療に少しでもお役に立つことができれば幸いです。

 

■鍼灸
鍼灸とは?
鍼灸(しんきゅう)治療とは、鍼(はり)を体に接触または刺入したり、艾(もぐさ)を体の上で燃焼させたりする治療法で、経穴(けいけつ)いわゆるツボを使った治療として2000年以上の歴史があります。
経穴は、経絡上に位置していて、その数は世界保健機関(WHO)で361穴と定められています。経穴の多くは、筋肉の間、関節や骨の陥凹部、動脈の拍動部や分岐部、神経線維や血管が密集しているところなどに存在しています。
日本における鍼灸治療の歴史は古く、最近の調査でも日本人の2~3割の人が一生のうち一度は鍼灸治療を受けたことがあるとされています。また、世界的にも110カ国以上の国々で鍼灸治療は実践されていて、それぞれの国で資格制度も整備されつつあります。
鍼灸治療の目的は、がん患者さんにおける痛みや息切れなどの身体症状の軽減、心理的・精神的苦痛の軽減、生活の質(QOL)全般の改善、化学療法の副作用である吐気や嘔吐の軽減、手術後の腸閉塞の予防、乳がん治療の副作用である顔面紅潮・のぼせの治療などとなっています。
臨床試験は世界各国で多数行われており、その結果によっては、鍼灸治療ががんの医療現場に通常医療として取り入れられる日が来るかもしれません。
また基本的な考え方として、鍼灸治療は特定の病気や疾患に対して治療を行うのではなく、痛み、こり、むくみ、冷え、しびれなどさまざまな身体的症状を緩和したり除去したりすることを目的としています。ですからがんに関しては、がんを縮小させたり消失させたりすることは決してありません。あくまでも、現代西洋医療を補完する治療というスタンスで行うべきです。

 

鍼灸治療の臨床試験
数多くの臨床試験が行われています。その結果、抗がん剤治療の副作用である嘔気や嘔吐の軽減効果や神経症状を和らげる効果があると報告されています。また、嘔気や嘔吐は手術後の患者さんにも有効であったとのことです。さらに、痛みなどの症状を改善し、がん患者さんの生活の質(QOL)の向上が認められたとの報告もあります。

 

ただし、抗がん剤治療における嘔気・嘔吐の軽減効果は、早期のものには有効であったが、遅延性のものでは効果がなかったとされ、鍼灸治療に関してもさらなる臨床試験を行う必要があります。

 

鍼灸治療の注意点

 

鍼灸治療、特に鍼治療において気を付けておかなければならない点を取り上げます。鍼を刺す鍼治療では、まれに出血あるいは内出血することがありますが、健康な人であれば問題となることはほとんどありません。しかし、抗がん剤治療をして出血を止める細胞の血小板が少なくなっている場合や、がんが進行して出血しやすい状態の場合には、鍼治療を行う際に注意が必要です。当然、専門資格を持った施術者に鍼治療をしてもらうことが重要です。

 

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