日刊 ゲンダイ 漢方や鍼灸は新型コロナなどの感染症にも効果があるのか
2022/04/08
【東洋医学を正しく知って不調改善】
漢方や鍼灸というと、「緩やかにじっくりと効く」「特に慢性病に効果がある」というイメージをお持ちの方が多いかもしれません。確かにそのような面もありますが、実は急性症状や感染症にも十分効果を発揮します。 実際、風邪をひいた時など、進んで鍼灸治療を受ける方がいますし、よく知られる漢方薬、葛根湯を飲まれる方も少なくありません。
実はこの葛根湯は非常に昔から知られた処方薬。3世紀の中国で、疫病のさまざまな病態に対する薬物治療書として編まれた「傷寒論」という本があるのですが、この中でも登場します。書名にある「傷寒」とは、当時の中国で大流行した急性の発熱を伴う疫病を指しています。
ちなみに総合感冒薬や咳止め、喘息の治療に広く使われている「エフェドリン」という薬がありますが、これなどは1885(明治18)年に日本の薬学者の長井長義(ながい・ながよし)が、世界で初めてこの葛根湯に含まれる麻黄から抽出し命名したものでした。
このように昔から東洋医学では、感冒などの感染症への対処法や、急性症状や感染症に対する治療経験や深い考察が連綿と受け継がれており、さらにそれら古医書に残された疫病に対する漢方処方を研究考察し、現代に生かす研究成果も発表されています。 現在、我々に大きな影響を与える新型コロナウイルス感染症に対しても、東洋医学では臨床研究や症例報告が進んでおり、中には漢方薬が重症化抑制に寄与できた可能性を示す症例も報告されています。コロナワクチン副反応の痛みや、コロナ後遺症の味覚・嗅覚症状に対して鍼治療の効果も指摘されています。
北里大学東洋医学総合研究所の漢方鍼灸治療センターなどのように、倦怠感、頭痛、咳、呼吸困難、関節痛・筋肉痛、不眠、乾燥肌、脱毛、嗅覚・味覚障害などさまざまにおよぶコロナ後遺症に特化した専門外来を設けている施設も出てきています。
このような試みがなされ、少しでもコロナ感染やワクチンの反作用で苦しまれている方々への助けになるとよいですね。
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新中野の國安鍼灸整骨院
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