株式会社 千乃

【天柱(てんちゅう)】

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【天柱(てんちゅう)】

【天柱(てんちゅう)】

 1989年「後頸部諸経穴への刺針に関する解剖学的考察:瘂門・天柱・風池・完骨・翳風について」

『全日本鍼灸学会雑誌』1989 年 39 巻 2 号 p. 195-202

鍼灸初学者の方に、天柱穴の刺し方を指導している際に、上天柱、下天柱、頭痛などの施術の際の「大後頭直筋」や「下頭斜筋」などを解説していました。

後頭骨の外後頭隆起が一つのランドマークです。

頭半棘筋の停止部が、上項線と、下項線の間であり、起始部はC4からC7の関節突起と、T1からT6の横突起です。

 

伏臥位になり、外後頭隆起を触り、大椎の方向に触ると、

第2頚椎棘突起の上際の陥凹部である、「瘂門(あもん)」穴を触れます。

逆に大椎穴から、上にフェザータッチで擦上しても、「瘂門」の陥凹部で指が止まります。乳様突起下端と同じくらいの高さになります。風池も私は「瘂門(あもん)と乳様突起下端の中点」で取るので、乳様突起下端もランドマークとして重要となります。

第2頚椎棘突起は「大後頭直筋」の起始部であり、「下頭斜筋」の起始部であり、このランドマークを触診できるのが、一つのポイントです。

また、乳様突起と下顎角の間に第1頚椎の横突起があり、「下頭斜筋」の停止部であり、ランドマークとなります。

頭半棘筋と後頭下筋群は、外後頭隆起の下の下項線に付着しているので、この部分に形成されたトリガーポイントを刺鍼するのが非常にテクニカルになります。

まず、「瘂門」の外側にある天柱(てんちゅう)に直刺してもらうのですが、

(1)初学者は「瘂門」を正確に取れない問題があります。

ほとんどは、指で触診した部分ではなく、後頭髪際の高さに刺します。別に臨床的には問題ないのですが、解剖学的ランドマークが正確に取れないことが気になりました。

第2頚椎棘突起(軸椎)は、トリガーポイント的に臨床をするには後頭下筋群を触診するときのランドマークになるからです。

そこで、古典的な根拠を調べたのですが、驚きました。

『鍼灸甲乙経』では、「天柱は、項をはさみ、後頭髪際の大きな筋肉の外側の陥凹にある(天柱,在侠发际大筋外廉陷者中)」です。

『鍼灸大成』でも、「項をはさみ、後頭髪際、大きな筋肉の外側の陥凹中にある(侠发际,大筋外廉陷中)」なので、同じです。

 

わたし自身は、1990年代に教育を受けたので「瘂門(あもん)の外1寸3分」で取っていました。中国の当時、買った文献も同じです。

ところが、古典を調べると、「瘂門(あもん)の外1寸3分」の根拠になる古典の記述は存在しない!!!そうです。

日本・中国は「瘂門(あもん)の外1寸3分」だったのですが、韓国は「瘂門(あもん)の外1寸5分」だったそうです。

これは、2005年のWHOの会議の詳細でも報告されていました。

「第二次日本経穴委員会」便り~第6回経穴検討内容~

河原保裕(第二次日本経穴委員会作業部会)

医道の日本 64(1): 222-223, 2005.

自分は昔の教科書で教育を受けたので、完全に盲点になっていました。

しかし、古典の記述である、後頭髪際は、特に女性では、「瘂門(あもん)」の位置と、かなりズレます。古典時代は、それで良いし、反応で取るなら、天柱・上天柱・下天柱などの表現でも分かるように、反応は上下しますから問題ないです。

 

自分が第2頚椎棘突起の上際の陥凹部にこだわるのは、そこが危険部位であることと、トリガーポイントで後頭下筋群をターゲットにする際の唯一のランドマークだからという理由になります。

これらの説明は若い鍼灸師にとって大変有難い、臨床の助けとなることでしょう。

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