【科学の最前線:『アメリカ医師会雑誌(JAMA)』の、うつ病の炎症サブタイプ】
2025年6月4日『メディカル・エクスプレス』
「研究者らは、大うつ病の炎症性サブタイプを提唱し、精密精神医学への道を開く」
以下、引用。
「エモリー大学の研究者らは、重度のうつ病に炎症性のサブタイプが存在することを裏付ける説得力のある証拠を提示した。」
「うつ病に関連する炎症研究のパイオニアであるアンドリュー・H・ミラー医学博士率いるエモリー大学の研究者らは、炎症が約25~30%の患者におけるうつ病症状の主要な要因であることを明らかにしました。」
「彼らの研究では、罹患患者の血液、脳組織、脳脊髄液中のC反応性タンパク質(CRP)、腫瘍壊死因子(TNF)、インターロイキン-6(IL-6)といった炎症マーカーの上昇が明らかになった」
「ミラー氏はまた、「精神障害の診断と統計のマニュアル」(DSM-6)などの診断マニュアルの次版に炎症の指定子を含めることを提唱している。」
「ミラー氏らが共著した3つの論文のうち、JAMA Psychiatry誌では、著者らは次期DSM-6において、大うつ病の診断基準として炎症を追加することを提案しています。」
以上、引用終わり。
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2025年4月2日『アメリカ医師会雑誌(JAMA)精神医学』
「DSM-6において、炎症は大うつ病の指定因子となるべきでしょうか?」
2025年5月7日『アメリカ精神医学雑誌』
「大うつ病の炎症性サブタイプの研究の進展」
精神医学の歴史で、1895年にフロイトが『ヒステリー研究』で精神分析を創りました。
1952年の『精神疾患の診断・統計マニュアルDSM』では戦争神経症など「神経症(Neurosis:ニューロシス)」が中心でした。
1968年の『DSMーⅡ』でも「神経症(Neurosis:ニューロシス)」は収録されていました。
1980年の『DSMーⅢ』で、「神経症(Neurosis:ニューロシス)」は削除されます。
1986年に、イーライリリー社のSSRI抗うつ薬「プロザック(Prozac)」が発売されます。この当時は「SSRIプロザックですべてのうつ病が治るんじゃないか」という幻想がふりまかれました。
2000年に、イギリスのグラクソスミスクライン社のSSRI抗うつ薬「パキシル(Paxil)」が発売され、日本では有名女優などを使った「ウツはココロの風邪」キャンペーンで、SSRI抗うつ薬は、ものすごく売り上げを伸ばしました。SSRI「プロザック(Prozac)」や「パキシル(Paxil)」の発売から、30年以上が経ち、うつ病は「生物医学(Biomedicine)モデル」では治らないことが明白となり、全体論である「生物心理社会モデル(Bio-Psycho-Social model)」が通説となり、認知行動療法(CBT)が標準治療となります。
1992年にC型肝炎に対するインターフェロン療法がはじまります。ところが、インターフェロン療法をした患者さんに「うつ病」が頻発しました。これがターニングポイントで『精神神経免疫学』が勃興します。ミクログリア神経炎症やリーキーガット(“Leaky gut”)などが注目されています。
耳介迷走神経刺激や鍼が、抗うつ作用があるのは、抗炎症作用と関連している可能性があります。
日本においても“うつ病“で鍼灸治療を希望される方々急増しています。
これらの研究が進み、少しでも心の病で悩んでおられる方々のお力になれることができると一鍼灸師としてとても嬉しいことです。


