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【鍼灸EBM最前線:鍼のエビデンスの現状「鍼がポジティブな効果を出す可能性が高い疾患」(20)機能性ディスペプシア(FD)】

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【鍼灸EBM最前線:鍼のエビデンスの現状「鍼がポジティブな効果を出す可能性が高い疾患」(20)機能性ディスペプシア(FD)】

【鍼灸EBM最前線:鍼のエビデンスの現状「鍼がポジティブな効果を出す可能性が高い疾患」(20)機能性ディスペプシア(FD)】

 2025年2月26日「鍼におけるエビデンスの現状:2017年から2022年の鍼のシステマティックレビューとメタアナリシスのレビュー」

 82疾患が「鍼がポジティブな効果を出す可能性が高い疾患」です。

以下、引用。

【消化器学(ガストロエンテロロジー)】

「機能性ディスペプシア(FD)」

以上、引用終わり。

1990年代前半は「NUD非潰瘍性胃腸症」と呼ばれていました。

1994年に「ローマⅠ(Rome I)」が出版されました。「機能性ディスペプシア(FD:Functional Dyspepsia)」という言葉が使われます。

1999年の「ローマⅡ(Rome II)」では、「機能性ディスペプシア(FD)」の概念から、胸やけ・呑酸の「胃食道逆流症(GERD)」が独立します。

2006年の「ローマⅢ(Rome Ⅲ)」が出版され、

「機能性ディスペプシア(FD)」が、

「食後愁訴症候群(PDS)」と、

「心窩部痛症候群(EPS)」、

に分類されました。

 2013年に日本でも「機能性ディスペプシア」が保険病名に収載され、ゼリア新薬が世界初の機能性ディスペプシアの薬「アコマイド(Acotiamide:アコチアミド)」が保険適用されました。

 2016年に「ローマⅣ(Rome IV)」が出版されます。「ローマⅣ(Rome IV)」では、「機能性消化管障害(FGID))」を「脳腸相関の病気(DGBIs)」と表現しました。

2021年に日本消化器病学会から『機能性消化管疾患診療ガイドライン2021-機能性ディスペプシア(FD)(改訂第2版) 』が出版されました。70ページに「FD の治療として,鍼灸療法は有用か?」のクエスチョンがあり、「鍼治療は有用であるとの報告がある」という回答があります。

2025年4月16日に、機能性ディスペプシア(FD)の文献分析の論文が発表されていました。

2025年4月16日

「機能性ディスペプシアにおける鍼治療のエビデンスに基づく文献分析:臨床効果と研究動向」

2009年に最初の「機能性ディスペプシア(FD)」の鍼の論文が発表され、2013年に論文が急増します。2022年にも論文の急増がありました。

国別では、

1位 中国

2位 アメリカ

3位 韓国

4位 イギリス

5位 オーストラリア

6位 ブラジル

7位 ドイツ

8位 イタリア

9位 ベルギー

10位 カナダ、

となります。

日本語でも、以下の文献レビューがあります。

2024年

「機能性ディスペプシアに対する鍼治療- 課題の探索を目的とした文献レビュー 」

藤倉 光慈, 井畑 真太朗, 山口 智, 屋嘉比 康治

『日本東洋医学系物理療法学会誌』2024 年 49 巻 2 号 p. 97-106

2022年のメカニズムの論文は参考になります。

2022年

「病態生理学に基づく機能性ディスペプシアに対する鍼治療の潜在的メカニズム」

※【偽鍼治療の再考】

ここでも、偽鍼についての議論があります。IBSやFDなど「脳腸相関の病気(DGBIs:Disorders of gut-brain interaction)」は、プラセボの設定が大きな問題になります。

「機能性ディスペプシア(FD)」は、中国語で「功能性消化不良」です。

2024年9月

「機能性ディスペプシアの鍼治療の関連メカニズムに関する研究の進展」

 

※「3.1.鍼治療は迷走神経を調整する」

※「経皮的耳介迷走神経刺激法(taVNS)は、伝統的な中国医学の耳介鍼療法理論と迷走神経の調節を組み合わせた現代の科学的治療法です。迷走神経の耳介枝が主に分布する耳甲介領域を刺激して、胃腸の炎症を調整し、胃腸の排出を促進します」

※「グレリン、モチリン(MTL)、ガストリン(GAS)はいずれも重要な胃腸ホルモンであり、主に消化管から分泌され、胃腸の運動を促進する機能を有している」

グレリンは1999年に国立循環器センターの児島将康(こじま・まさやす)先生や寒川賢治(かんがわ・けんじ:1948ー)先生が発見され、2008年に六君子湯との関連が報告されています。

2024年

「鍼治療は食後ストレス症候群患者の症状、血清グレリン、自律神経系を改善する:ランダム化比較試験」

「モチリン(Motilin)」は、1971年にカナダのジョン・C・ブラウン(1938-2016)が発見しました。

1972年

「モチリン、胃腸の働きを刺激するポリペプチド」

しかし、「モチリン(Motilin)」の真の働きを解明したのは、世界の研究者たちに『モチリン王(King of Motilin)』と呼ばれた群馬大学医学部の伊藤漸(いとう・ぜん:1931ー2011)先生です。

1974年にモチリンによる「空腹期伝播性強収縮(IMC)」を世界で初めて発見しました。名著『胃は悩んでいる』(岩波新書1997年)に発見当時の様子が書かれています。

 モチリンは、胃、十二指腸、空腸、回腸でレセプターが発見されていますが、主に十二指腸で分泌されます。空腹時に「お腹がグーっと鳴る」のは、モチリンが分泌され、胃→十二指腸→空腸→回腸と強い蠕動運動が伝わり、収縮運動によりがお腹の中を掃除されているからです。これを「お掃除収縮(housekeeper contraction)」と言います。未消化の食物カスや消化液は肛門側へと送り出されます。1日の中で、空腹時間をつくることと、夜間に出来るだけ、胃を空っぽにした方が、この「お掃除収縮」が起こりやすくなります。

 伊藤漸先生の門下、群馬大学医学部の草野元康教授は、足三里に刺鍼することで、血清モチリン値が上昇し、血清モチリン値の低下したFD患者さんの治療の可能性を論じられています。

2012年9月15日

「鍼の足三里(ST36)刺激による機能性胃腸症(FD)治療の可能性」

草野元康 (群馬大学)

『日本消化器病学会雑誌』109 号A867

2024年の「ベイジアン・メタアナリシス(Bayesian meta-analysis)」論文では、機能性ディスペプシアの鍼灸治療で、モチリンが注目されています。

2024年6月

「機能性消化不良に対する鍼治療:ベイジアンメタアナリシス」

※「灼熱感の緩和には灸が最適な選択肢であることが示されました。モチリン濃度を高めるための好ましい方法としては、鍼を温めること(Warming needle=灸頭鍼)が特定されました。」

 

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