株式会社 千乃

【鍼灸EBM最前線:鍼のエビデンスの現状「鍼がポジティブな効果を出す可能性が高い疾患」(17)「脳卒中後の嚥下障害」】

お問い合わせはこちら インターネット予約 初診時の問診票

【鍼灸EBM最前線:鍼のエビデンスの現状「鍼がポジティブな効果を出す可能性が高い疾患」(17)「脳卒中後の嚥下障害」】

【鍼灸EBM最前線:鍼のエビデンスの現状「鍼がポジティブな効果を出す可能性が高い疾患」(17)「脳卒中後の嚥下障害」】

 2025年2月26日「鍼におけるエビデンスの現状:2017年から2022年の鍼のシステマティックレビューとメタアナリシスのレビュー」

 82疾患が「鍼がポジティブな効果を出す可能性が高い疾患」です。

以下、引用。

【神経疾患】

「脳卒中後の嚥下障害(ポスト・ストローク・ディスフェイジア)」

以上、引用終わり。

 脳卒中後の嚥下障害によって起こる最大の問題は「誤嚥性肺炎」で死亡率を著しく上昇させます。

 2016年の「アメリカ脳卒中学会(ASA)」のガイドラインには多数の鍼に関する記述があり、鍼が脳卒中に推奨されているという事実があります。

2016年

「成人脳卒中リハビリテーションと回復のためのガイドライン:医療従事者向けガイドライン(アメリカ心臓協会/アメリカ脳卒中協会より)」

 

※「鍼:オタワ委員会は、歩行能力を改善するために標準的な脳卒中リハビリテーションの補助として鍼治療を含めることを検討するには十分な科学的証拠があると勧告している。Shiflettは、脳卒中回復に対する鍼治療の多数の RCT をレビューし、再分析を行って、鍼治療は歩行速度を改善するための補助治療として効果的である可能性があることを示唆した。」

 2021年のヨーロッパ脳卒中学会とヨーロッパ嚥下障害学会(European Society for Swallowing Disorders)のガイドラインは脳卒中後の嚥下障害にたいして鍼を推奨しているのがファクトです。

2021年『ヨーロッパ脳卒中雑誌』

「ヨーロッパ脳卒中学会およびヨーロッパ嚥下障害学会による脳卒中後嚥下障害の診断と治療に関するガイドライン」

 

※「【推奨10】 脳卒中後の嚥下障害の患者では、嚥下機能のリハビリテーションに鍼治療を使用することを提案します。」

 日本脳卒中学会の『脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2023〕』では、鍼灸に関する記述はありません。

 「反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)や経頭蓋直流電気刺激(tDCS)を行うことは妥当である(推奨度B エビデンスレベル高)」、「咽頭部への経皮的電気刺激を行うことは妥当である(推奨度B エビデンスレベル高)」という記述があります。

 わたしは脳卒中の患者さんをあまり診ていないため、今回の調査で「経頭蓋直流電気刺激(tDCS)」や「経皮的電気刺激(TENS)」が多く、日本のガイドラインで推奨されているのに驚きました。

2023年11月23日

「脳卒中後嚥下障害に対する経頭蓋直流電流刺激:メタアナリシス」

※「【結論】経頭蓋直流電流刺激は、嚥下機能、口腔相と咽頭相の短縮、そして穿通および誤嚥のリスクの改善により、脳卒中後嚥下障害の治療に良好な効果をもたらします。」

 わたしは数年前から、このフェースブック記事で、「ニューロモデュレーションによる医学革命が起きている」として、電気療法を中心に研究してきましたが、本格化している印象ですね。

2020年に香港大学の研究者たちがパイロット試験を行い、有望な結果が出ました。

2020年5月12日

「脳卒中後嚥下障害に対する鍼治療:パイロット、非ランダム化、自己対照試験」

※「香港の医療現場では、脳卒中後嚥下障害の新規患者は通常、東洋医学治療が許可されていないリハビリテーション病院に入院するため、地域社会から十分な数の脳卒中後嚥下障害患者を募集することは依然として非常に困難です。このため、私たちの研究では、治療は3つの漢方外来クリニックで行われました。募集された適切な患者数が少なかったため、この研究には実用的なデザインを採用しました。」

2014年から2016年の香港は、まだ、西洋医学の病院で鍼が出来なかったという事情がリアルです(現在は巨大な中医学病院があります)。日本でも、急性期の脳卒中患者さんに鍼をするのが困難であるという事情があります。

2024年に脳卒中後の嚥下障害のツボの研究が発表されています。

2024年5月

「データマイニングに基づく脳卒中後嚥下障害に対する鍼治療における関連パラメータのルールの探究」

 

※「経穴パラメータに関しては、『風池(GB20)』と『廉泉(CV23:RN23)』がよく用いられた。内部では、大後頭神経、小後頭神経、後頭動脈の枝を通過し、迷走神経と舌咽神経の支配を受ける。『風池(GB20)』への鍼治療は、頸筋を刺激し、椎骨脳底動脈系への血流を改善し、脳への血流を増加させ、神経の修復と再生を促進し、PSD患者の嚥下力を回復させる(51、52)。解剖学的には、『廉泉(CV23:RN23)』3は舌骨筋、オトガイ舌筋、舌咽神経、舌下神経に囲まれている。鍼治療は、局所の神経ポイントを刺激し、中枢神経系の興奮性の反射弓を再構築し、咽頭の神経支配を回復し、不随意運動を完成させます」

「廉泉(CV23)」は、喉頭隆起上方で、舌骨の上際陥凹部です。下から上に舌根の方向に刺します。

経外奇穴の「上廉泉」は、廉泉穴と下顎骨の間に取り、下から上の方向に刺します。

中国語では「卒中后吞咽障碍」です。

2023年

「脳卒中後の嚥下障害のメカニズムと臨床研究の進展」

中医学 Vol. 13 No. 8 (August 2024)

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。