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【鍼灸EBM最前線:鍼のエビデンスの現状「鍼がポジティブな効果を出す可能性が高い疾患」(16)「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群」】

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【鍼灸EBM最前線:鍼のエビデンスの現状「鍼がポジティブな効果を出す可能性が高い疾患」(16)「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群」】

【鍼灸EBM最前線:鍼のエビデンスの現状「鍼がポジティブな効果を出す可能性が高い疾患」(16)「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群」】

 2025年2月26日「鍼におけるエビデンスの現状:2017年から2022年の鍼のシステマティックレビューとメタアナリシスのレビュー」

 82疾患が「鍼がポジティブな効果を出す可能性が高い疾患」です。

以下、引用。

 

【神経疾患】

「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)」

ME/CFS

以上、引用終わり。

1955年にイギリスのメルヴィン・ラムゼイ(Melvin Ramsay:1901-1990)が勤務していたロイヤル・フリー病院で謎の疲労症候群が大量発生しました。メルヴィン・ラムゼイは『ランセット』で報告し、

「筋痛性脳脊髄炎」と名付けます。

2人の精神科医が、「筋痛性脊髄炎」をヒステリーの一種、詐病と描いたことに憤慨し、メルヴィン・ラムゼイ医師は患者さんのために1978年に「筋痛性脳脊髄炎協会」を設立します。

 

メルヴィン・ラムゼイは「ミトコンドリア機能不全」が病因ではないか?と疑っていました。

1986年にメルヴィン・ラムゼイ医師は筋痛脊髄炎についての最初の文献「ウイルス後疲労症候群」を出版します。この概念は1993年にWHOのICD10に採用されました。

イギリスにおける筋痛性脳脊髄炎(ME)の歴史とは、まったく別に、アメリカで「慢性疲労症候群(CF)」の歴史があります。

 

1984年代にネバダ州インクラインヴィレッジで現在の「慢性疲労症候群(CFS)」と思われる症例が200人規模で大量発生し、ウイルス感染が疑われました。当初は「慢性エプスタイン=バーウイルス症候群」と呼ばれていました。

1988年にアメリカ政府のCDCが「慢性エプスタイン・バーウイルス症候群」に替えて、慢性疲労症候群(CFS)の最初の定義「ホルムズ基準」を提出します。

1988年

「慢性疲労症候群:実用的な定義」

※「私たちは、慢性エプスタイン・バーウイルス症候群に、慢性疲労症候群という新しい名前を提案します。」

 

1991年に大阪大学を中心に「疲労研究」が行われました。旧厚生省による『慢性疲労症候群調査研究班による診断基準(試案)』とまとめられます。

1993年にWHOのICD10で「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群」は「ウイルス感染後疲労症候群」とまとめられました。

1994年にアメリカ政府CDCが「ホルムズ基準」に代わって、福田敬二(Keiji Fukuda, MD, MPH:1955ー)医師の作成した「Fukuda基準」を発表します。

1994年「慢性疲労症候群:その定義と研究への包括的なアプローチ。国際慢性疲労症候群研究グループ」

2007年に日本疲労学会が、『慢性疲労症候群診断指針(2007年)』を発表します。

2015年にはアメリカで国立医学アカデミー(IOM:Institute of Medicine)により、「全身性労作不耐症(SEID)」に病名を変更すべきであると提言がなされました(定着しませんでした)。

2015年「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群を超えて」

病気を再定義する

※「委員会は『慢性疲労症候群』という名称が多くの患者に不利益をもたらし、『筋痛性脳脊髄炎』という名称は疾患の主な特徴を正確に表していないと判断しました。委員会は、この疾患の全容をよりよく表す名称として『全身性労作不耐症』を提案します」

2015年アメリカ国立医学アカデミー(IOM)を参考にして、

2017年『日本におけるME/CFS臨床診断基準【案】』が提唱されています。

鍼については、2017年くらいまで、有望な研究がなかった印象です。

2017年の韓国のシステマティックレビューは良い内容でした。

2017年5月20日

「慢性疲労症候群に対する鍼治療のシステマティックレビュー」

※「【結論】このレビューでは『慢性疲労症候群(CFS)』患者は一般的に鍼治療による症状緩和の恩恵を受ける可能性があるという証拠が見つかり、症状の悪化や重篤な有害事象の原因となる証拠はない。」

2022年の中国のシステマティックレビューも肯定的です。

2022年

「慢性疲労症候群に対する鍼灸治療:システマティックレビューとネットワーク・メタアナリシス」

※「結果から、灸(moxibustion)と灸を含む併用療法の方が優れた効果を発揮していることがわかります。」

2023年

「慢性疲労症候群に対する鍼治療の中枢機構に関する研究の進展」

2019年からコロナ禍の時代となり、ロング・コビットと「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)」の関係は、新たな時代を迎えている印象です。

「ウイルス感染後疲労症候群」は、インドやブラジルでデング熱の後遺症の関節痛の治療で鍼が使われていますし、アメリカではライム病後の関節痛や疲労症候群に使われています。現代日本で、ロング・コビッドに対して施術をしているヴェテラン鍼灸師は多いと思います。おそらく鍼灸がもっとも社会的に貢献できる分野だと個人的には思います。疼痛とうつがあり、疲労感があり、脳と神経炎症、腸内細菌と免疫など、もっとも鍼灸のメカニズム研究も関連してくると思います。

 

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