【鍼灸EBM最前線:世界最高の専門病院「MDアンダーソンがんセンター」による『がん化学療法による末梢神経ニューロパシー(CIPN)』の鍼のアンブレラ・レビュー】
2025年3月19日 MDアンダーソンがんセンター
『P値(P-value)』を超えて:がん化学療法による末梢神経ニューロパシーのクロスセクショナル・アンブレラ・レビュー」
テキサス州の「MDアンダーソンがんセンター(MD Anderson Cancer Center)」は世界最大のがんセンターであり、がん病院の病院ランキングで、23年間で20回1位を獲得した世界最高の病院です。
著者のアリス・イェー医師はアイオワ大学を卒業した西洋医師で、もう一人の著者サラハディン・アブディ博士(Salahadin Abdi, M.D. Ph.D.)は麻酔科の専門医で、どちらも鍼灸専門家ではなく、西洋医師です。
以下、引用。
【結果】ランダム化比較試験(RCT)の分析により、以下の重要な結果が明らかになりました。化学療法を完了した後の『化学療法による末梢神経ニューロパシー(CIPN)』を患う癌サバイバーの場合、セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤 (SNRI) と鍼(acupuncture)により、少なくとも短期的には痛みと感覚症状が緩和されました。」
「2020年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)『化学療法による末梢神経ニューロパシー(CIPN)』ガイドラインでは、デュロキセチンが CIPN の治療にエビデンスのある唯一の介入であると述べられていましたが、それ以降、いくつかの新しい臨床試験が発表されており、その多くは非医薬品介入を検討しています。この数は、2023年だけでも『化学療法による末梢神経ニューロパシー(CIPN)』治療に関するシステマティックレビュー(SR)が19件発表されるほどでした。しかし、これらのシステマティックレビューSRの調査結果では、しばしば矛盾する結論が出ています。」
「まとめると、鍼のみの鍼治療は、少なくとも週に1回、9~10週間の施術を受けた後、痛みや感覚の症状に対してより効果的であるように思われ、その潜在的な効果は介入後4週間まで持続する。『化学療法による末梢神経ニューロパシー(CIPN)』患者に対する鍼治療の長期的な有効性に関するデータはないが、他の慢性疼痛疾患に対する鍼治療のメタアナリシスに基づくと、効果は1年以上持続する可能性がある」
【ディスカッション】鍼のみの鍼治療または電気鍼治療も、『化学療法による末梢神経ニューロパシー(CIPN)』患者に対する治療選択肢となり得ますが、効果が現れるには、患者は毎週または隔週の治療を 8~10 週間必要とする可能性があります。
以上、引用終わり。
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今までの経験でも、『化学療法による末梢神経ニューロパシー(CIPN)』は、最終的に完治した患者さんでさえ、改善を感じるまで2~3か月から半年かかっている症例が多い印象です。だから、8週間から10週間というのはリアルな印象ですね。患者さんにも「神経再生は1日1mmと言われていて、時間が掛かります」とお伝えしています。


