【鍼灸EBM最前線:鍼のエビデンスの現状「鍼がポジティブな効果を出す可能性が高い疾患」(15)「帯状疱疹後神経痛】
【鍼灸EBM最前線:鍼のエビデンスの現状「鍼がポジティブな効果を出す可能性が高い疾患」(15)「帯状疱疹後神経痛(PHN:Post-Herpetic Neuralgia)」】
2025年2月26日「鍼におけるエビデンスの現状:2017年から2022年の鍼のシステマティックレビューとメタアナリシスのレビュー」
82疾患が「鍼がポジティブな効果を出す可能性が高い疾患」です。
以下、引用。
【神経疾患】
「帯状疱疹後神経痛」
以上、引用終わり。
「帯状疱疹後神経痛」について、日本皮膚科学会の『帯状疱疹後ガイドライン2025』で漢方薬の使用を「考慮してもよい」という記述はありますが、鍼灸についての記述はありません。「経皮性電気神経刺激(TENS)」などの理学療法は「考慮してもよい」が、「ただし、軽皮性電気神経刺激がPHN(帯状疱疹後神経痛)の発生を予防するという十分なエビデンスはない」という記述があります。
「帯状疱疹後神経痛」のガイドラインでの標準治療は第1選択肢とプレガバリン(リリカ)とガバペンチン(ガバペン)と三環系抗うつ薬で、第2選択肢がオピオイド+SNRIのトラマドールです。
韓国のソウル、東国大学(Dongguk University)韓医学部の2023年の論文は、参考になります。
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2023年2月28日
「帯状疱疹に対する鍼治療の有効性」
※「従来の薬物療法と比較して、鍼治療は VAS、有効率、鎮痛および消失までの時間において有意な改善が見られました。新しい水疱の消失、痂皮形成、および痂皮除去までの時間(日数)も有意に改善されました。さらに、鍼治療群では PHN の発生率が低かったです。」
帯状泡疹(Herpes Zoster)は、中医学では、「纏腰火丹(てんようかたん)」といわれます。
清代の『医宗金鑑』では、「纏腰火丹(てんようかたん)」とされ、肝経と心経の火では「竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)」、
脾経と肺経の湿熱では「胃れい湯(いれいとう)」、肝火妄動では、「柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)」、に分類しています。
最新の2025年の論文は、プロトコルではありますが、もっとも面白かったです。
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2025年3月25日
「帯状疱疹後神経痛患者の患側と健側における筋弾力性と病理学的特徴の比較分析:パイロットコホート試験のプロトコル」
※「症例報告のエビデンスは、通常筋肉痛に使用される筋膜トリガーポイント療法が、筋膜機能不全に関連する可能性のある筋肉の変化がこれらの患者の疼痛に寄与しているという仮説を裏付けていることを示しました」
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これは、「帯状疱疹後神経痛(PHN)」の局所の肋間筋に「筋・筋膜性トリガーポイント」に形成され、トリガーポイントにアプローチしたら効いたという症例報告があることから、「帯状疱疹後神経痛(PHN)」患者さんの肋間筋を健側と患側で比較し、筋弾力性・超音波エコー・筋生検で調べようという研究です。
中国の「帯状疱疹後神経痛(PHN)」の研究を読んでいると、頭皮鍼などの「脳からのアプローチ」もあるのですが、脊髄分節の夾脊穴という「セグメンタル・アプローチ」だけでなく、囲刺や刺絡、横刺などの局所の「ローカル・エフェクト・アプローチ」が多いです。神経炎症による疼痛なので、「セグメンタル・アプローチ」がアタマに浮かびますが、確かに肋間筋のトリガーポイントが形成されている可能性も高いです。この論文は、まだプロトコルなのですが、2025年7月に実験が終了するそうなので、注目だと思いました。


