【アメリカ鍼灸最前線:イリノイ州の『ファイブ・ニードル・プロトコル』】
2025年2月26日
「鍼灸師が麻薬中毒治療として『ファイブ・ニードル・プロトコル』を推進」
現在、西海岸のオレゴン州でも誰でもNADAプロトコルができる『法案2143号(House Bill 2143)』』を審議中ですが、アメリカ中西部のシカゴ都市圏がある「イリノイ州(State of Illinois)」でも、鍼師以外が『ファイブ・ニードル・プロトコル』ができるように鍼師が運動しているという報道です。
以下、引用。
「イリノイ州の法律では、認可を受けた鍼灸師と医師のみがこの治療を施すことができると定められています。しかし、エバンストン在住のエイミー・ランドルトさん(鍼灸師)は、この資格の改正に取り組んでいます。『27 州で鍼灸師以外の人でもファイブ・ニードル・プロトコル(NADAプロトコル)を施すことが認められており、治療の選択肢が広がります。』」
「イリノイ州には 1,200 万人の人がいますが、鍼灸師は 1,000 人未満です。」
「ランドルトは、『ファイブ・ニードル・プロトコル』の起源についてコミュニティを教育することは、継続的な認識の重要な部分であると述べた。ドキュメンタリー映画「Dope is Death」は、1970 年代初頭にさかのぼるアメリカ初の鍼解毒プログラムの歴史を追っている。」
「『リンカーン病院デトックスセンター(Lincoln Detox Center)』のセンター長は、トゥパック・シャクールの義父であるムトゥル・シャクールだった。彼は研究の中で、中国では人々がオピオイドの蔓延と戦うために鍼治療を利用していることを知った。最終的に、このクリニックで『ファイブ・ニードル・プロトコル(5 needle protocol)』治療が開発され、何千人もの中毒患者を助け、根本的な危害軽減を促進する将来のプログラムの土台ができた。」
「ランドルトは、歴史を理解することで、人々は変化を起こすためのツールを得られると語った。「私は女性蔑視の文化が根付いたとても小さな町で育ち、自分にチャンスがあることに気づいていませんでした」と彼女は語った。」
以上、引用終わり。
2019年にアメリカのバーモント州からはじまった「耳鍼資格のレギュレーション規制緩和」の政治的潮流は、わずか6年でアメリカ27州に拡がり、さらにオレゴン州でも法案が審議され、イリノイ州でも規制緩和の運動があるようです。現在は、やはり「誰が鍼灸を施術するのか?適切な法規制は何か?」「適切な教育とは何か?」を議論するグローバルな歴史的フェーズのようです。