鍼の科学的解明への第一歩 - 現代ビジネス
「なんと皮膚を圧迫するだけで『汗のかき方』が変わった…『鍼の科学的解明』への『驚きの第一歩』」という記事が現代ビジネスのサイトに掲載されています。(現代ビジネス 2024.12.14)
なぜ鍼灸が効果的であるのかについては少しずついろいろなことが分かってきていますが、科学的な解明という意味においてはまだまだ不明な部分が多いようです。
鍼や灸による皮膚刺激によって体内にさまざまな変化が起きますが、科学的解明への第一歩となったのが、高木健太郎氏の研究だということが、この記事では書かれています。
高木健太郎氏は、日本の生理学者であり、特に汗の研究や体温調節の研究で知られています。
高木氏は「圧反射現象」(皮膚を圧迫するとその側の身体半側に発汗の抑制が発生する現象)を発見しました。この現象は「半側発汗」とも呼ばれます。
例えば右側を下にして寝ると、右側の発汗が抑制され、左側に汗をかきやすいということです。
このことから、皮膚に刺激を与える鍼というものが、自律神経を介して体内の状態を変えていくのではないかと考えたようです。
そしてその後、鍼灸師たちとともに高木氏は各種研究をしていったそうです。そのことが書かれている部分を下記に引用いたします。
高木が鍼灸の理論の裏付けに燃える鍼灸師らと「鍼」を生理学的に研究していくようになるのは1960年頃。1972年に中国との国交が回復すると、高木は中国を訪れ、中国の鍼事情を視察しています。訪中をきっかけに彼の鍼灸に対する活動は本格化していき、同年、『生体の調節機能 ハリの原理をさぐる』(中公新書)を著しています。その中で皮膚圧迫によってもたらされる生体のさまざまな反射について記載しています。
鍼灸による効果については、一般的には次のようなことが挙げられます。
・血行促進
・免疫機能の向上
・自律神経の調整
・痛みの緩和
鍼や灸の刺激によって、体が反応し、自律神経やホルモンなども関係しながら血流が改善し、痛みが緩和されるということですね。
人間がもともと持っている自然治癒力を利用しています。