鍼灸がメンタルケアに及ぼす影響について
鍼灸がメンタルに及ぼす影響について、一般的な考え方や臨床的な研究結果についての考察です。
現代社会の多様化によって心がやられ病んでしまうことが多くあり、病院や医療機関受診される方も多くいらっしゃいます。
しかし、それらの機関では解決できないこともあり、それらの症例に対して鍼灸治療が有効なこともよくあります。
では鍼灸がどのような作用で効果があるのかを説明いたします。
ストレス軽減作用として、鍼灸は体内のエネルギーの流れを調整し、リラックスを促進すると考えられています。そのため、鍼灸を受けることで、ストレスや不安が軽減され、メンタルの安定に寄与するとされています。
睡眠の改善作用があり睡眠の質を改善する助けとなります。良質な睡眠はメンタルヘルスに重要であり、鍼灸によって睡眠障害が改善されることで、心のバランスが保たれるとされています。
ホルモンバランスの調整作用としては鍼灸がホルモンバランスを調整することで、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制し、セロトニンやエンドルフィンなどのリラックス効果のあるホルモンの分泌を促進するという研究結果があります。
鍼灸施術中にクライアントは自己認識を高めることができ、メンタルの健康にポジティブな影響を与える場合があります。深いリラックス状態やマインドフルネス状態が、自己認識や心の平穏に繋がることがあり自己認識の向上にも繋がります。
鍼灸は身体の緊張を緩和する助けとなるため、緊張性の頭痛や筋肉のこり、不眠などの緊張関連の症状を軽減することが期待されます。これにより、メンタルの安定に寄与し、緊張症状の緩和することもあります。
鍼灸治療が脳への刺激を介して変化を与えるメカニズムにはいくつかの要素を述べることにします。
1.神経伝達物質の調整
鍼灸が特定の経絡やツボに刺激を与えることで、神経細胞から神経伝達物質が放出されます。これには、セロトニンやドーパミン、エンドルフィンなどが含まれます。これらの物質は、気分や情緒、痛みの調節など、脳内の化学的なバランスを変化させる役割を果たします。
2.自律神経系の調整
鍼灸は交感神経と副交感神経のバランスを整える作用があります。これにより、ストレス反応やリラックス反応が調節され、身体と心のバランスが整い、ストレスや不安に対処する能力が高まります。
3.脳の血流改善
鍼灸が行われる部位には、局所的な血流が増加する効果があります。これにより、脳への血液供給が改善され、脳の機能が活性化されることが期待されます。
4.神経可塑性の促進
灸刺激が特定の神経回路を刺激することで、脳の神経可塑性が促進されると考えられています。これにより、脳の機能や組織の修復・再構築が促進され、メンタルヘルスの改善につながるとされています。
これらのメカニズムによって、鍼灸治療が脳への刺激を通じて、様々なメンタルヘルスの症状に対して効果を示すと考えられています。ただし、その効果やメカニズムについてはまだ十分に解明されていない部分もありますが、実際の日々の臨床における患者様の治療として鍼灸を希望される方が増加しています。