鍼灸の効果とメカにズム 國安鍼灸整骨院 院長 國安則光
最近、益々盛んになった鍼灸ですが、東洋は勿論のことですが、最近では海外では欧米にとどまらす、安易で手軽に治療できる鍼灸が医療機関でも取り入れられそしてセルフケアにおいても民間療法として用いられるようになってきています。
鍼灸のメカニズムについては、西洋医学とは異なる視点から説明されることが多いです。
鍼灸は、伝統的な中国医学や日本の東洋医学の一部であり、体のエネルギーの流れを調整することで健康を改善したり予防したりする治療法です。
鍼灸の主なメカニズムは以下のようなことです。
・気の流れを調整する
鍼灸の理論にでは、体内を流れる気(エネルギー)が健康に影響をするので鍼や灸を使って特定の経絡(けいらく)やツボ(経絡上の特定の点)に刺激を与えることで、気の流れを調整し、体のバランスを整えることが可能です。
・神経系の調整
鍼や灸が特定の部位に刺激を与えることで、神経系の特に脳に影響を与えると考えられています。これにより、痛みや不快感の軽減、筋肉の緊張の緩和、自律神経のバランス調整する効果があります。
・血流の促進
鍼や灸の刺激が自律神経をコントロールすることで血管や筋肉に働きかけ、血流が促進します。これにより、組織への酸素や栄養素の供給が改善され、組織の修復や代謝が促進されます。
・免疫系の活性化
鍼灸が免疫系に影響を与え、免疫機能を高めるという研究報告も多数あります。特定のツボや経絡への刺激が免疫反応を調節し、炎症や病気への抵抗力を向上させます。
ただし、鍼灸のメカニズムについてはまだ研究が進行中であり、科学的な証拠が不十分な部分もあります。しかし、多くの人が鍼灸を受けることによって痛みの軽減や健康改善を経験しており、その効果は実証されています。
最近の鍼灸に関する研究では、科学的な視点からその効果やメカニズムについてさらに理解が深まっています。以下に、最近の鍼灸に関する研究成果は以下の内容です。
神経科学的アプローチ
現代の神経科学の最新技術を用いて、鍼灸が脳内の神経回路にどのような影響を与えるかを調査する研究が行われています。機能的MRI(fMRI)や脳波計測などの手法を用いて、鍼灸が痛み処理や脳内の神経活動に及ぼす影響を明らかにしようとする試みがあります。
疼痛の軽減
鍼灸が慢性疼痛や炎症性疾患などの痛みのコントロールにはどのように役立つかを明らかにする研究が多数行われています。
その実験法では特定の痛みモデルを用いて、鍼灸が痛みの感覚や神経伝達に与える影響を評価し、鍼灸が痛みの軽減にどのようなメカニズムで作用するかを解明しようとする研究が行われています。
免疫応答と炎症
最近の研究では、鍼灸が免疫応答や炎症性疾患に与える影響に焦点を当てています。動物モデルや細胞培養を用いた研究により、鍼灸が免疫系の活性化や炎症の調節に関与する可能性が示唆されています。
神経伝達物質の調節
鍼灸が神経伝達物質のレベルを変化させ、痛みやストレス応答などの生理学的プロセスを調節することが示唆されています。特に、セロトニン、ドーパミン、エンドルフィンなどの神経伝達物質が注目されています。
これらの研究は、鍼灸が従来の伝統的な理論だけでなく、現代の医学的知見に基づいてその有効性を裏付ける可能性があることを示唆しています。しかし、まだ多くの面で科学的な裏付けが必要とされており、今後の研究がその役割を担っていくことにも期待されています。
特に長い間、臨床をされている鍼灸師やその治療を受けている方々は、身をもって鍼灸効やその利点を知っておられます。
益々の鍼灸の発展や啓蒙に努めていきたいと思いっています。