鍼灸治療とマッサージ がん関連の痛みへの効果 - アメリカ
「鍼灸治療とマッサージはどちらもがん関連の痛みを持つ人々に利益をもたらす:研究」という記事がアメリカの医療サイトMedical Xpressに掲載されています。(Medical Xpress 2023.11.27)
鍼治療もマッサージも、痛みを和らげるのに役立つと以前からいわれて、日本でも鍼灸を用いてがん患者に対する緩和ケアが大学病院や医療機関で行われています。
米国統合腫瘍学会(Society for Integrative Oncology)の診療ガイドラインでは、不安、気分障害、慢性疼痛の軽減、がん患者の生活の質改善(QOL)に対して、鍼治療やマッサージなどの療法を勧めているようです。
この記事では、ニューヨークのがんセンターの臨床試験で、両方の治療法が筋骨格系の痛みを軽減するだけでなく、疲労感、不眠症、患者の生活の質の改善にもつながることがわかった、と説明されています。
そして、進行がん患者約300人に対して行われた試験について、以下のように書かれていて引用いたしますと次の様な内容です。
・研究期間中、鍼治療は最悪の疼痛スコアを平均2.5ポイント低下させた
・マッサージは最悪の疼痛スコアを平均3ポイント低下させた、その差は重要ではない
・多くの患者は、疲労、睡眠、全体的な生活の質に関しても気分が良くなり、また、時間の経過とともに鎮痛剤の使用量も減少することができた
研究者は「鍼治療、マッサージの治療の適用範囲を拡大するべき」と述べています。
日本では、厚生労働省の補助金によって行われた「がん治療による副作用の緩和に関する統合医療の研究」の結果が、2008年に発表されています。
それは、鍼灸、漢方治療を中心とした統合医療の役割を検討するというものです。
結果は、鍼灸の効果は、西洋薬との併用によってQOLの改善効果があるということでした。
しかしながら、がん診療の現場では担当医による鍼灸の適用は少なく、患者自身の求めがあった場合に鍼灸が行われているようです。
日本でも多くのがん患者への鍼灸を用いることが徐々に増えてきいています。
それは、鍼灸の良さ患者さんに伝わり、そして体験することで鍼灸の良さを体験してもらい、そのことが医師に繋がることによって鍼灸の普及が進んでいくと思います。
西洋医学ではとどかない、メンタルケアや手の暖かさを感じる鍼灸をお勧めしたいと思います。