パーキンソン病への鍼灸治療

　パーキンソン病は、中枢神経系の変性疾患で、運動障害、急激、筋肉の硬さ、姿勢の不安定性などの症状を考える疾患です。

パーキンソン病は、手足のふるえ（振戦）、筋肉のこわばり（筋強剛）、身体の動きにくさ（寡動）を示す、中枢神経系（中 脳黒質）の疾患で、50歳以上の高齢者に多い疾患です。L-Dopaという薬剤により、症状は改善しますが、次第に効果が なくなったり、副作用症状が出てきたりします。

パーキンソン病の治療には、薬物療法、物理療法、手術など一般的鍼灸療法も、パーキンソン病の症状の緩和に対して補完的な治療法として研究されています。

　早速での研究結果に基づくと、鍼灸療法がパーキンソン病の症状改善に対してどれだけ効果的かについては一定の結論は得られない。機能や日常生活動作に対して一定の改善をもたらす可能性が示唆されています。

高齢社会の到来によって患者数も増加し、鍼灸治療を希望して来院する 患者さんも年々増えています。 明治国際医療大学では「パーキンソン病鍼灸治療専門外来」を開設し、現代医学の薬物治療と鍼灸治療の併用による 治療を勧めています。その結果、パーキンソン病に特有な症状が軽減し、投薬量を抑制したり、時には投薬量を減らせたりすることもあります。

慢性的に症状が持続する病気ですが、鍼灸治療の併用は、副作用もなく、長く続けられる安全な治療方 法として注目されています。

パーキンソン病に特徴的なふるえ（振戦）や筋 肉のこわばり（筋強剛）は、鍼灸医学では「肝 臓」あるいは「腎臓」の病と考えられており、こう した臓器と関連する経穴が治療点として用いられます。また、中枢神経系と関連が深いとされ る「陽明」という名の経絡にある経穴も用いられ ます。 パーキンソン病に対する鍼灸治療の効果 15名のパーキンソン病の患者さんに対する鍼灸治療 の結果（自覚症状の改善）を集計したところ、パーキ ンソン病に特徴的な症状のうち、「表情の乏しさ」の 60.0％、歩行障害（歩きにくさ）の53.8％、振戦（ふる え）の43.2％に改善が認められました。 また、気分の落ち込み（抑うつ）、便秘、睡眠障害な どの自律神経症状、痛みにも鍼灸治療の効果が認められました。

　薬だけに頼らなく鍼灸治療も併用してパーキンソン症状の進行を予防して、毎日の生活を少しでも軽快に過ごすことも可能なことです。