腰痛のメカニズム NO.1
腰が痛くて病院に行ったけど「異常ありません」と言われ痛み止めや湿布を渡されて診察が終わってしまったという方は少なくないことでしょう。
腰痛の85%以上は原因不明。
これはレントゲンやMRIなどの画像診断で判別できない腰痛 =「非特異的腰痛」のことを指します。
しかし、痛みがあるということは腰から何かしらの合図が出ています。
今回はそんな腰痛についてお話していきたいと思います。
まず痛みを生み出す原因は2つあります。
1つは骨。骨にまつわる部位、たとえば関節や椎間板に異常が出て、さらにここが刺激されることで出る痛み。
そして、もうひとつは脳、つまり心からくる痛みです。
痛みはまず腰の骨に何らかの異常が生じ痛みのダイヤルがひねられることからスタートします。
ここから痛みの情報が脳に伝えられ「痛い」と感じます。
しかし、腰でひねられた痛みのレベルよりも脳では痛みが何倍にもなって感じるのです。
じつは腰の痛みは心の状態により大きく変わることが多くの研究により明らかになっています。
それではなぜストレスが痛みを大きくしてしまうのか?
脳には、痛みを和らげるシステムが備わっていますが、慢性的な痛みが続くと、痛みを認知する、脳の「疼痛感覚野」という部位が過敏になって、痛みを強く感じてしまいます。
脳が腰痛に支配されてしまいそのストレスが痛みを何倍にもしているのです。
つまりストレスを減らすことができれば腰痛は楽になるということです。
では、どのようにしたらストレスを減らすことができるのか?
それは、腰痛を詳しく説明し、仕組みを知ってもらうことです。
頭の中が痛みで埋め尽くされてしまう根本には「なぜ、痛いのかわからない」という困惑が潜んでいます。
その正体を突きとめれば痛みによる支配はうすれて脳が痛みを増幅させる割合は減っていきます。
それではあなたの腰痛はどこから起こっているものか探してみましょう。
まず腰痛が起こるポイントは3つ
(1)椎間板 (2)椎間関節 (3)仙腸関節です。
(1)椎間板:背骨と背骨の間にあるクッションで中身は繊維の束でできた「繊維輪」とゼリー状の「髄核」という物体でできている
(2)椎間関節:背骨どうしを後ろでつないでいる関節で左右合わせて48か所存在。
(3)仙腸関節:骨盤の中の腸骨と仙骨をつなぐ縦に長い関節。
では次にこれらのポイントがそれぞれどのように痛みを引き起こすのか。
(1)椎間板
背骨と背骨の間でクッションの役割をする椎間板
1日に数万回つぶされても耐える働きものですが老化とともにクッションは固くなっていきつぶれていきます。固くなったクッションは傷つきやすくなり中にある「繊維輪」が傷ついてきます。
繊維輪が傷つくとそこを治そうと炎症が起こります。
その時に血管と神経が入り込み血管は栄養を送り、神経はこれ以上負担をかけないようにと痛みを出し注意信号を送ります。
すると前かがみなど椎間板をつぶす動作で痛みがおそってくるようになります。
(2)椎間関節
関節は、骨と骨をつないで「関節包」に包まれていますが、その中には多数の神経があるため、ここが傷つくと即座に痛みがやってきます。
椎間関節は、椎間板がつぶれ2次的に負担が増して傷つくことが多いです。
すると腰を反らした姿勢などを取ったときに痛みが出てきます。
(3)仙腸関節
仙腸関節から起こる痛みは見落とされがちですが生理の時に腰が痛くなるときや、かた足に荷重をかけた時に痛みが出るときなどはここの痛みが疑われます。
仙腸関節は生理中にホルモンの影響でゆるみが出たりかた足に体重を乗せた時などに負担がかかります。
さきほどお話しましたように腰痛は骨と脳から起こります。
脳からくる痛みはストレスを減らせれば軽くなってきます。
では骨からくる痛みはどのように防いだらいいのでしょうか?
それは骨の周りに付く筋肉を味方につけ、骨にかかる負担を減らしてあげることです。
骨を支えるのに最も大きな働きをしている背骨に直接くっつく「ローカル筋」を味方につけましょう。
腰痛を和らげるには、ローカル筋のなかでも腰椎や骨盤を安定させるために欠かせない「腹横筋」と「多裂筋」の2つの筋肉を活動させるのが効果的です。
※このような腰痛の症状も鍼灸治療を継続的に施術し、ストレッチや生活習慣の改善をすることにより疼痛や症状の軽減を期待することが十分可能となります。是非、諦めないで鍼灸治療を続けて下さい。