公開講座 お腹の調子は健康のみなもと-はり・きゅうで胃腸も元気ー
明治国際医療大学鍼灸学部 教授 矢野忠 2011・12・11
「元気のみなもとは、お腹から」「健康のみなもとは、お腹から」などと言われています。“元気”という言葉は、普通よく使われる用語ですが、本来的には、東洋医学で用いられる学術用語です。元気の源は、東洋医学でいう「気」と「血」です。「元気がいいね」は気や血が充たされ、円滑にめぐっている状態であり、「元気がないね」は気や血が不足して、巡りが悪い状態です。
“流水は腐らず”の譬えのごとく、帰結が充実し、スムーズに体内を巡っている状態が、心身を健やかにしてくれます。「気」には、親からもらいうけた「先天の元気」と飲食物から摂る「後天の元気」とがあります。「血」は飲食物から造られます。すなわち、飲食物は気血の材料であり、その材料から効率よく気血を試算するのが“お腹”です。
従って、お腹の調子により、元気、健康が左右されることになります。
健康のバロメーターとして「快眠」「快食」「快便」が揚げられますが、健康とお腹の調子とは深い関係にあります。
本講座では、お腹の調子の善し悪しを現す「便通」を取り上げます。便通の異常には(1)便秘、(2)下痢、(3)交代性便通異常があります。糞便の水分量によって便秘と下痢を分けます。最近増えている便通異常が、(3の交代性便通異常です。病名は過敏性大腸症候群といいます。
日頃から便秘に悩んでいる方、家庭でのツボによるセルフケアで、お腹の調子を整えてみませんか。きっとお腹から元気が湧くことを実感できることと思います。