株式会社 千乃
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蕃秀(ばんしゅう)の病と三伏灸

蕃秀(ばんしゅう)の病と三伏灸

灸法臨床研究会 福島哲

三伏灸東洋医学には、「冬病夏治、夏病冬治」という治療の考え方がある。中国では、このうち冬虫夏草……じゃなかった冬病夏治の一手法として、酷暑の祭典?ともいえる「三伏灸」というちょっと面白い?風習があるらしい。「三伏灸」とは、一年の中で最も暑い時期である夏至から立秋にかけての三伏天の期間に、「三伏貼」という漢方薬(白芥子、細辛、附子、生姜など)の貼り薬を特定の経穴(大椎、定喘、大抒、風門、肺兪、膏盲、胃兪、腎兪など)に貼りつける天灸(漆灸のように薬物によるツボ刺激)の一種であり、中医理論では、陽虚の人は冬場に風邪、アレルギー鼻炎や喘息、消化不良などの疾患になりやすく、三伏天は人体の陽気が最も旺盛なので、この時期に補陽薬や温灸等で陽気を補うと一番効果的であると考え、これらの病気の予防や治療に使われているそうである。
この灸法は、治未病の精神からいえば模範解答的な治療法であり、これをきちんと行えば、落語の手遅れ医者に「(病気になってからでは)手遅れじゃ!。もっと早く(病気になる前に)連れてくればよかったのに……」などとは言われないでも済むだろう。一般的な大きさ(半米粒大など)の艾?での施灸でもOKらしいので、鍼灸業界でも夏枯れの閑古鳥対策に、鰻屋さんの「土用のうなぎ」商法を真似て、来年あたりから「三伏の灸」でも仕掛けてみてはいかがだろうか。

 

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