肺がん:「喫煙と酒」要注意 発生率、1日2合で1.7倍
・・・毎日新聞 2008/5/30 東京夕刊
日本酒を1日2合以上飲む喫煙者は、時々たしなむ程度の喫煙者に比べ、肺がんを発症する危険性が1.7倍高いことが30日、厚生労働省研究班の調査で分かった。一方、非喫煙者では、飲酒量と肺がん発生率に関連性はみられなかった。
研究班は、岩手県など10府県に住む40~69歳の健康な男性約4万6000人を対象に調査。飲酒量を▽ほとんど飲まない▽時々(月に1~3回)▽日本酒で1日1合未満▽1日1~2合▽1日2~3合▽1日3合以上の6グループに分類し、04年までの約14年間追跡した。その結果、喫煙者では1日2~3合飲むグループと3合以上のグループは、時々のグループに比べ、肺がん発生率がともに1.7倍高いことが分かった。また飲酒量が増えるほど発生率が高まる傾向がうかがえた。研究班は、アルコール分解酵素がたばこの煙に含まれる発がん物質の働きを活発化することなどが原因と考えている。飲まないグループも時々のグループに比べ1.6倍高いが「もともと肺がんリスクが高く、飲めなくなっていた人が含まれていた」とみている。日本酒1合は、ビールで大瓶1本、ワインでグラス2杯に当たる。分析をまとめた国立がんセンター予防研究部の島津太一研究員は「肺がんだけでなく、生活習慣病予防のためにも1日1合程度に控えた方がいい」と話す。【須田桃子】