【鍼灸研究最前線:中国による日本鍼灸流派研究】
2025/06/12
2024年『アジア太平洋伝統医学)』
「日本式の松本岐子鍼灸流派の分析」
日式松本针灸流派探析
何姝婕 李辰 赵汉青
この論文を書いたのは、中国中医学科学院中医学情報研究所(中国中医科学院中医药信息研究所)であり、中国の国際標準機関ISO/TC249に対応する機関であり、中医学関連情報の研究の中枢です。「中医古書保護センター(全国中医行业古籍保护中心)」という国家的な中医学古書保存のセンターでもあり、「国医典蔵2.0(国医典藏2.0)」という中医学の古典をすべてデジタル化するのが業務です。特に『中国中医学図書情報雑誌(中国中医药图书情报杂志)』は、中医学デジタル化の論文が掲載されており、情報源として重要だと思います。
長野潔(ながの・きよし:1925-2001)先生は、
1948年から大分県立病院に勤務。
1957年に32歳で大分県大分市で鍼灸院を開業されます。
1993年に『鍼灸臨床わが三十年の軌跡―三十万症例を基盤とした東西両医学融合への試み』を出版されます。
1996年に『鍼灸臨床新治療法の探究』を出版されました。
松本岐子先生は、
1986年に『奇経八脈(Extraordinary Vessels)』、
1988年に『腹診(Hara Diagnosis)』を書かれています。
わたしは純粋に奇経八脈の研究として、上記2冊は購入して読みました。2冊とも良書です。
わたしは長野式はド素人なので、判断がつかないです。
長野潔先生が脈診中心なのに対して、松本岐子先生が腹診中心という程度の知識があるくらいです。
この中国論文は、「キーコ・スタイル(Kiiko style)」を腹診を特徴として、『難経』系の腹診として分析していました。
これは、最初は驚いたのですが、いわれてみると、わたしが個人的に日本鍼灸の特徴と考えている、
(1)触診の重視
(2)腹診の重視
(3)内臓体壁反射の重視
(4)西洋医学と東洋医学の折衷スタイル
などの日本鍼灸の特徴を「キーコ・スタイル(Kiiko style)」兼ね備えている・・・というのは、中国論文を読んでいて、はじめて気づきました。
あと『難経(なんぎょう:难经:nàn jīng)』の重視は、間違いなく、日本の伝統的な特徴だと感じました。
腹診を「傷寒系」「難経系」「折衷系」で分類するのは、学問的には、大塚敬節先生の分類になります。
↓
「腹診書の分類」
大塚 敬節
『日本東洋醫學會誌』 1961 年 12 巻 1 号 p. 20-26
「腹診考 (1)」
大塚 敬節
『日本東洋醫學會誌』 1960 年 11 巻 1 号 p. 13-17
「腹診考 (2)」
大塚 敬節
『日本東洋醫學會誌』 1960 年 11 巻 2 号 p. 74-78
「腹診考 (3)」
大塚 敬節
『日本東洋醫學會誌』 1960 年 11 巻 3 号 p. 124-130
このような日本の鍼灸の歴史を聞くと大変勉強になり、日本の鍼灸の素晴らしさをより感じる次第でした。


