【伝統補完医療の最前線:シンガポールの中医学鍼灸】
2025/05/19
2025年4月7日シンガポールの新聞『ストレイツタイムス』
「シンガポールの中医学シーンは、新しい血が注入される」
写真は20歳のハンさんと21歳のティンさんで、南洋理工大学(NUT)の中医学ディグリー学位1期生です。
以下、引用。
「ゴーは現在、南洋理工大学(NTU)の3年生で、中医学と生物医学の二重学位取得を目指して勉強している。
彼は、伝統的な治療法の学位取得を目指す 多くの若いシンガポール人の一人です。
2024年8月南洋理工大学(NUT)は4年間の中医学の学士課程の初回入学者を迎えました。この課程は独立した学位となり、保健省の中医学委員会によって認定された初の地元で授与される学部課程となります。この新しい学位プログラムは、TCM と現代の西洋医学を統合するという全国的な動きの一環です。
オン・イェ・クン(王乙康)保健大臣は2024年10月、同省は拡大された「Healthier SGプログラム」の一環として、公立の診療所や病院に中医学TCMを導入することを目指していると述べた。」
シンガポールの保健大臣オン・イエ・クン(Ong Ye Kung)は、リー・シェンロン首相の秘書で、リー・シェンロン首相の後継者候補の一人です。
リー・シェンロン(李显龙:1952-)はシンガポールの国父「リー・クワンユー(李光耀:Lee Kuan Yew)」の長男です。
オン・イエ・クン(王乙康)大臣が2026年から実施しようとしている「より健康なシンガポール政策プログラム」は、中医学に保険支払いをしようとする計画です。
以下、引用。
「リン氏によると、西洋の医師のほとんどは患者にTCMを勧めないという。
「医療専門家だけでなく一般の人々の中にも、中医学TCM治療はプラシーボ効果や疑似科学のようなものだと感じている人がいるのは非常に残念です」と彼女は語った。
中医学TCM には熱心な信奉者が集まっているにもかかわらず、シンガポールで施術家としてのキャリアを維持するのは依然として困難です。
2018年に南洋理工大学NTUのダブルディグリープログラムを卒業したリンさんは、同期生のうち現在、中医学TCM業界に残っているのは4分の1だけだと見積もっている。
主な理由は、長時間労働と低賃金だと彼女は言った。
彼女が2019年にTCM施術者として初めて業界に入ったとき、初任給は2,500ドルでした。
3か月の試用期間の後、給与は2,800ドルに引き上げられました。
また、この業界でのキャリアアップの機会も限られているため、安定した高収入の仕事を求める人々が最終的にこの業界を去ることになるかもしれないと彼女は付け加えた。」
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2,500シンガポールドルは約27万円です。
2.800シンガポールドルは約30万円です。
2022年のシンガポール教育省の発表した新卒の初任給は4.200シンガポールドル(約43万円)でした。
南洋理工大学のダブルディグリープログラムは中医学と生物学の2つの学位がとれるので、生物学を利用して製薬会社などに就職すると、かなりの高給となります。
以下、引用。
「他の人はみんなキャリアアップして、ボーナスや昇進で給料も上がり続けているのに、同じところに留まっているのです」
リンさんの給料は中医学TCMクリニックのオーナーになってから増えたが、事業を維持するためには長時間働かなければならない。
彼女は月曜日から土曜日までの午前9時から午後8時30分まで診療所を開いており、昼食と夕食の休憩(それぞれ1時間)を除いていつでも患者を受け付けています。
しかし、過酷な労働時間にもかかわらず、リンさんはこの分野を離れるつもりはない。最終的には南洋理工大学(NUT)のようなプログラム出身の専門家をクリニックに迎え入れたいと考えている。」
以上、引用終わり。
「難しいけど、やりがいのある職業」というキャプションと、シンガポールで鍼灸を頑張っている若者の姿に感動しました。南洋理工大学(NUT)の1期生たちには、頑張ってほしいです。
素晴らしいお話です。このような若者が鍼灸業界に携わって頂けるともっと鍼灸が見直されたり、啓蒙されたりすることになると思います。この方がたに心より敬意を表する次第です。


