痛みや精神の問題に対する鍼治療の有効性 - カナダ
2024/09/02
「痛みや精神衛生上の問題を抱える患者の治療における鍼治療の有効性:アルバータ補完医療統合プロジェクトの結果」という記事が学術出版社「フロンティアズメディア (Frontiers Media)」のサイトに掲載されています。(Frontiers Media 2024.8.6)
この研究は、カナダのアルバータ州での2つの集団、「若者(24歳以下)」と「高齢者(55歳以上)」の痛みとメンタルヘルスの問題に対処するために鍼治療を利用した、アルバータ補完医療統合プロジェクトの臨床結果となります。
その結果、痛みや精神衛生上の問題がある患者さんに対して鍼治療をしたところ、有意な改善がみられたということです。
そのことが書かれている一部を下記に引用させていただきますと要点は次の通りになります。
・結果はABCHIPを通じて少なくとも6回の鍼治療を受けた500人の患者のデータを分析した結果、臨床結果に統計的に有意な改善が見られた
・このグループのうち少なくとも12回の治療を受けた235人の患者のサブグループでは、痛みの重症度が75.5%軽減し、睡眠の質が53.1%改善
・うつ病が78.4%低下し、不安が41.1%低下し、疲労が43.7%低下し、怒りが38.2%低下し、全体的な生活の質が42.6%改善
また、結論として鍼治療は、痛みの緩和と生活の質の向上が期待できるということです。下記に引用させて頂くと要点は次のようになります。
・結論:鍼治療を通常のケアと統合することで精神的健康の増進、慢性および一般的な痛みの緩和、全体的な生活の質の向上が期待できる
・この結果はABCHIPなどの統合プログラムが脆弱な集団の痛みや精神的健康の問題に対処するための効果的なアプローチであり将来の医療介入に貴重な洞察をもたらすことを示唆している
鍼灸治療の効果は、痛みの軽減のほかに、体内のバランスの調整や緊張緩和などがよく知られています。
國安鍼灸整骨院 國安則光