腰痛症に対する鍼灸のメカニズム
2024/06/25
「“ぎっくり腰“になったら鍼灸が効く!」と言ったことを聞いたことはあるかと思います。
すべての“ぎっくり腰”に効くとは言えませんが、特に多いのが筋・筋膜性腰痛といって重いものを持ったり、疲労によって腰の筋肉の繊維が微細な断裂したりすることが原因による“ぎっくり腰”には鍼灸が特に効果的です。
腰痛症に対する鍼灸の効果には、いくつかのメカニズムが関与しているという研究がされています。以下に、その主要な理由を説明します。
1. 痛みの緩和
鍼灸は、特定の経穴(ツボ)を刺激することで、エンドルフィンやエンケファリンなどの体内の天然鎮痛物質の分泌を促進します。これにより、痛みの感覚が減少し、患者は痛みから解放されやすくなります。
2. 血流の改善
鍼灸による刺激は、血流を改善する効果があります。血流が良くなることで、患部に必要な酸素や栄養素が供給され、また、老廃物の除去が促進されるため、炎症や筋肉のこわばりが軽減します。
3. 筋肉の緩和
鍼灸は、筋肉の緊張を緩和する効果があります。腰痛の原因となる筋肉の緊張やこわばりを和らげることで、痛みが軽減し、可動域が改善されます。
4. 自律神経の調整
鍼灸は自律神経系に影響を与え、ストレスや精神的な緊張を和らげる効果があります。これにより、ストレスが原因の腰痛や慢性的な痛みの症状が改善されることがあります。
5.炎症の抑制
鍼灸には、炎症を抑制する作用があるとされています。これにより、腰痛の原因となる局所的な炎症が軽減され、痛みが緩和されます。
6. セロトニンとドーパミンのバランス調整
鍼灸治療は、脳内の神経伝達物質であるセロトニンやドーパミンのバランスを調整する働きがあります。これらの物質は痛みの感受性や精神状態に影響を与えるため、鍼灸によるバランス調整が痛みの軽減に寄与します。
これらのメカニズムを通じて、鍼灸は腰痛症の治療に効果的であるとされています。ただし、鍼灸の効果は個人差があるため、治療を受ける際は鍼灸師と十分に相談し、自分に合った治療法を選択することが重要です。
また、“ぎっくり腰”の多くの原因である筋膜性の腰痛症以外にも椎間板ヘルニア、分離症、すべり症などの骨、軟部組織が原因による慢性的な腰痛などにも鍼灸治療は効果的ですが、原因によって治療期間がかかるものもあります。
是非、腰痛でお悩みの方は新中野國安鍼灸整骨院にご相談下さい。