鍼灸の痛みに対するメカニズム 國安鍼灸整骨院 鍼灸師 國安姫気
2024/03/19
「東洋医学の鍼灸はどういった効果があるか?」とか「なぜ鍼灸は効くのか?」など素朴な疑問がある方も多いと思います。
そのような中、鍼灸の効果は世界的に日進月歩研究されています。
鍼灸の痛みに対するメカニズムは、複雑であり、完全に理解されているわけではありませんが、いくつかの仮説や理論が存在します。
- 閾値の変化
鍼灸によって、痛覚閾値が変化するという仮説があります。痛みや不快感を感じるためには、神経系が一定の刺激に反応する閾値(生理的に痛みを感じるライン)を超える必要がありますが、鍼灸がこの閾値を変化させ、痛みの感じ方を変えると考えられています。
- 神経伝達物質の放出
鍼灸が特定の経絡やツボに刺激を与えることで、神経細胞からエンドルフィンやセロトニンなどの神経伝達物質が放出されると考えられています。これらの物質は痛みを軽減し、快適な感覚をもたらすことが知られています。
- 神経系の調整: 鍼灸によって、自律神経系や中枢神経系が調整されるという仮説もあります。特定の刺激が神経系のバランスを調整し、痛みや不快感を和らげる効果があるとされています。
- 組織の再構築
鍼灸が局所的な組織への刺激を与え、血液循環やリンパ流れを改善し、組織の修復や再生を促進するという仮説も提唱されています。これによって、痛みや不快感を引き起こす原因を除去し、症状を緩和する効果が期待されます。
これらのメカニズムは相互に関連しており、鍼灸が痛みに対して複数の働きかけを行うことで、症状の改善や痛みの軽減が実現されると考えられています。ただし、個々の効果やメカニズムの重要性については、まだ十分な科学的根拠が整っているわけではありませんので、今後の研究が期待されています。