美容鍼灸の効果
2022/09/08
美容鍼灸の効果!
最近、特に“美容はり”という言葉をよく耳にしますが、美容鍼灸は、リフトアップをはじめ、シワ・たるみ・くすみ・シミ・むくみ・乾燥肌など、さまざまなお肌のトラブルにお悩みに対して効果があるといわれています。これらの効果は、科学的にどこまで証明されているのでしょうか?と、皆様考えられると思われます。
今年、第71回全日本鍼灸学会学術大会東京大会では、「美容鍼灸Academic Conference」との共催によるシンポジウム「ここまで分かった美容鍼灸の効果と効果機序」が開催されました。
顔への鍼が、局所や全身、脳の機能に及ぼす影響
リフトアップの効果機序としては、セロトニンによる作用があり、鍼刺激によってラットの血中セロトニン量が増加したという研究結果を踏まえ、セロトニンが抗重力筋に作用することから、姿勢がよくなる、目がぱっちりと開くなどの効果が生まれ、あた、耳介部や顔面部への鍼刺激によって顔面血流が増加したというデータがあり、血行不良によって起こるくすみ・クマ・シミ・むくみ・肌荒れ・皮膚の弾力低下といった症状を、血流増加で改善できる可能性を示唆し、リフトアップにつながると研究結果が出ているといことです。
次の「顔面のたるみに及ぼす影響」としての内容は、次のようなものでした。
国内のおける美容鍼灸に関する論文は、主観的評価から客観的評価へと変化しており、さらに客観的評価は、香粧品分野的測定から物理的測定法へと変わりつつあるということです。物理的測定法の例として、3次元画像解析やMRIを用いた評価法による研究事例が多く導入されるようになってきました。
最後の講演は、明治国際医療大学鍼灸学部の山﨑翼先生で「顔面の刺鍼が脳の機能と全身の機能に及ぼす影響」と題する内容でした。
山﨑先生の講演内容は、顔面の刺鍼が全身の機能に及ぼす効果は非常に多様であり、高次脳機能が関与している可能性が高いとのことでした。
これからは美容鍼灸の効果と効果機序に関する研究の現状を共有するとともに、今後の臨床や研究にもつながっていくような有意義な討論があり、美容鍼灸に携わる鍼灸師だけでなく、施術を受けている人や今後受けてみたいと関心を持っている人にとっても、エビデンスにまつわる最新情報にふれる貴重な機会となりました。