認知症に対する鍼灸の効果
2017/06/22
認知症とは、「脳や身体の疾患を原因とし、記憶・判断などの障害が起こり、普通の社会生活が営めない状態」
老化してしまうことが原因で、日常生活に支障をきたす
脳の障害です。
認知症の中には原因となる病気を治すことで
改善されるものも中にはあるようですが、その割合は約1割ほどだと言われています。
WHOが発表した
世界の認知症患者数は
2011年で約3,560万人だったものが2030年には約2倍となり、2050年には約3倍に増加していくと予測されています。
日本でも65歳以上の高齢者が増加するにつれ、認知症患者も急増しています。
2015年に厚生労働省は2025年の認知賞患者が
今の1.5倍を超えるだろうという推測を発表していました。
近い将来認知症患者は65歳以上の高齢者の4人に1人という高い割合で
発症すると推測されえちます。
認知症には
大きく4つに分けられます。
・アルツハイマー型認知症(60%)
・脳血管型認知症(20%)
・レビー小体型認知症
・前頭側頭型認知症
症状は大きく分けて
2つあります。
①中核症状
誰にも現れる症状では「知的能力の低下」があります。
初期症状としては
物忘れがあげられ、症状が進行するにつれ
・時間
・場所
・人
の順で忘れやすくなってきます。
②周辺症状
個人差が出る症状です。
・「心の変化」
抗うつ、幻覚、妄想など
・「行動の変化」
徘徊、暴力、異食など
・「日常生活能力の低下」
食事、入浴、排泄など
・「身体への変化」
歩行障害、嚥下障害、排便排尿障害など
このような症状が
進行するにつれ
見られるようになります。
生活習慣病患者は
認知症になりやすいと
言われ始めています。
そのため、
予防方法として
・食生活の改善
・禁煙
・睡眠をよく取る
・老化の防止(話す、書く、読む)
などが
挙げられます。
今回、ブラジルとアメリカの研究で鍼灸が認知症に効果があるという
記事を紹介しま
1. Wuhan University of Science and Technologyの研心臓疾患にも鍼灸が効果があるというブラジルの研究
・2015年に行われた、鍼灸が脳血管性認知症の治療に効果的であるという研究です
・脳梗塞やくも膜下出血など脳の血管の病気によって引き起こされる脳血管性認知症では、血流が悪くなり脳に酸素や栄養素が届かなくなることが原因で知能の低下が起こり、認識力、記憶力、言語スキル、感情や人格に影響を及ぼします。
・患者は3つのグループに分けられ治療を受けました。
グループ1:投薬治療を受ける – 脳機能調整薬であり記憶力を高めるピラセタム0.8グラムを1日に3回、30日間投与する
グループ2:従来の鍼灸の治療を受ける – 週6回、合計30日間
グループ3:Xing Nao Kai Qiao法の鍼灸を受ける – 週6回、合計30日間
*Xing Nao Kai Qiao法:醒脳開竅法と呼ばれる、脳血管障害の後遺症に対する鍼の治療術のこと
グループ1が60%の効果率だったのに対し、グループ2は80%、グループ3は90%という結果になり、鍼灸が投薬治療よりも効果的であることがわかりました。
2. アメリカの科学ジャーナルPLOS ONEに掲載された研究では
・MRIを使ってアルツハイマー病患者の脳内接続が切断されている部分を測定しました。
・アルツハイマー病患者に鍼灸を治療後MRIを行った結果、海馬の前頭と外側側頭葉の領域の接続が改善していることがわかりました。
・これにより鍼灸がアルツハイマー病患者の海馬の接続を強化するという結論に達しました。
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