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國安鍼灸整骨院

健康知識INDEX

グラストン・テクニック

 

この治療はアメリカで開発され、特に運動選手などが起こしやすい損傷への治療法です。
特別な金属製のインストルメントという器具を使い、筋膜の癒着や可動域制限を見つけて、その部位にクリームを塗り、この金属のプレートで皮膚の上から刺激を与え、筋・筋膜へのリリース(血液・リンパの流れを促進)をすることを目的とする治療法です。

 

頚椎捻挫/挫傷(頚部痛) 腰部捻挫/挫傷(腰痛) 手根管症候群(手首痛) 足底腱膜炎(足裏痛)外側上顆炎(テニス肘) 内側上顆炎(ゴルフ肘) 回旋腱板症(肩関節痛) 膝蓋大腿障害(膝痛) アキレス腱炎 線維筋痛症 瘢痕組織 トリガーポイント 過労性脛部痛(シンスプリント) スポーツ選手のコンディショニング 各種スポーツ障害などこれらの疾患に大変有効です。

 

グラストン・テクニックは、癒着が生じた軟部組織(筋膜など)をリリースする施術です。少し詳しく説明しますと、このテクニックは身体各部の異なる組織・形状・弯曲に沿うようにデザインされたステンレス・スチール製の器具を用います。この器具を使用することにより、軟部組織の機能障害を正確にまた、特定的に感知し治療することが可能です。

 

グラストン・テクニックは筋膜や筋肉、腱、靭帯といった軟部組織の治療のために発明された特許技術です。我々のカラダは筋肉だけでなく、骨、腱、靭帯、内臓器官、血管、神経などのあらゆる構成要素も「膜」で包まれてています。「膜」は上記の構成要素をそれぞれの適正な場所に位置するように支えている組織です。「膜」の主成分はコラーゲン繊維と弾性繊維が合わさったものでできており、伸縮性に富んでいます。「筋膜」を例にすると、姿勢の乱れなどからくる緊張や血行不良、もしくは筋肉の使いすぎによるストレスなどによって短くなったり硬くなったり、癒着を起こしたりします。それらの癒着を取り除き、血液・リンパの循環を改善して痛みや疲労を除去する画期的な治療法です。

 

 

テンセグリティ(部分間相互依存)

痛みやスポーツ障害の治療にあたって、考えておかなければいけない構造上のメカニズムがあります。
それは“テンセグリティ”(テンションのある統合体)というメカニズムです。

 

<テンセグリティの模型図>

 

今までの生体力学では、上下に重なってできた骨に筋肉が付着し、その筋肉が収縮することで周りにある骨を引っ張って動かしているという概念が主流でした。
ようするに「骨が主体で筋肉は働きに関与するもの」でした。

 

テンセグリティでは人体を 『 テント 』 のように捉え、筋肉などの軟部組織全てが体の復元力・構成力に関与していると考えています。
テントは主にポール ( 棒 ) とシート ( 布 ) ・ロープでできています。

ポールがテント内の空間を確保しシートとロープが多方向からポールを引っ張り合うことで、ポールの位置を決めています。
人体も同様に、全身に点在する骨を、全身の軟部組織
(
筋肉・靭帯など)が引っ張ることでその形を維持しています。

 

「骨盤も強固なテンセグリティ構造をしています。
下の図を見れば一目瞭然です。

 

骨盤周囲の筋肉バランスが崩れるとそれが骨盤の“歪み”を引き起こし、体全体のバランスが崩れます。
そしてそれがさまざまな痛みの原因となります。

 

グラストンテクニックではこのテンセグリティのメカニズムが重要視されています。
運動を行う際には体全体の筋膜が絶えずコミュニケーションを取り合って運動動作や運動フォームが行われています。
しかし、筋膜の疲労や機能の低下、損傷や癒着によりそのコミュニケーションが少なくなるとフォームが崩れ、運動機能が低下します。

 

その状態が続くと負担が増えてくる部分の筋膜が益々傷んできます。

 

グラストンテクニックで、筋膜をリリースをすることにより筋膜が正常になり、再びお互いに連絡を取り合うことで、疼痛の緩和、フォームの改善がされ、よりよいパフォーマンスの向上へと繋がっていきます。

 


人体の全てにおいてもテンセグリティ構造になっています。

 

 

左の動いているアニメーションは、テンセグリティモデルが引っ張られるとどんな変化が起こるかをシュミレーションしたものだそうです。
全体で調和を保ちつつ流動しているのがわかりますね。

こう観てみると、歪みとは骨だけの問ではなく、連動する一連の補正作用なのです。              

 

顔面部症状(顔面痛・顔面神経麻痺・動眼神経麻痺)と鍼灸治療

埼玉医科大学東洋医学センター ・たには会関東支部相談役 小俣  浩(短大3期生)

 

はじめに.
鍼灸臨床で取り扱う頻度の高い症状・疾患は、全身性の疼痛性疾患が一般的である。
しかし、頭部・顔面部に限局した疼痛・シビレ・麻痺等も遭遇することが多い。今回、演者は埼玉医科大学東洋医学外来で対象となった、顔面痛患者の実態分析結果を元にその患者群の特徴や我々の鍼治療方法、その成績を報告し、一部顔面神経麻痺や動眼神経麻痺患者の鍼治療効果についても詳細させて頂く。

 

我々の顔面痛の鍼治療方法と治療成績. 過去5 年間に顔面痛及び顔面部しびれ感を訴え、当センター鍼灸外来を受診した42 例について分析した。性別は男性16 例・女性26 例、平均年齢54.7 ± 17.8 歳で、これら患者群のうち28 例が他科からの依頼患者群であり、診療依頼元では神内19例、歯科・口腔外科4 例、脳外1 例、形外1 例、内糖1 例、腎内1 例、耳鼻科1 例で現代医学的治療で難渋した患者群である。

 

疾患別では、三叉神経痛、顔面部術後疼痛、帯状疱疹後神経痛、顎関節症、脳血管障害後遺症、非定型顔面痛、Tolosa- Hunt 症候群、舌咽神経痛、顔面神経麻痺、動眼神経麻痺に伴う顔面痛も含まれる。このような顔面痛に対する鍼治療方針・方法は、頭部(頭蓋神経領域)や顔面部(三叉神経領域)に散在する経穴の筋・神経を直接刺激することにより疼痛域値を上昇させる方法と、東洋医学的に経穴・経絡(経穴と経穴を結ぶ連絡路;meridian)の反応や頭部・顔面部における神経反射を活用し疼痛緩和を期待する方法があり、鍼治療成績は著効・有効併せておおよそ60%の効果率であった。
頭部・顔面部における経穴・経絡反応と神経反射機序. 頭部・顔面部を巡る経穴・経絡には、手の陽明大腸経、足の陽明胃経、手の太陽小腸経、足の太陽膀胱経、手の少陽三焦経、足の少陽胆経等が走行し、生体(臓腑・器官)の機能異常が経穴・経絡に影響し圧痛点や過敏点および関連痛が現れるという。
こうした経穴・経絡現象は現代医学的には、三叉神経(脊髄路)や舌咽神経、顔面神経、動眼神経、迷走神経等の副交感神経と頸部交感神経の自律神経系に加え、C2.3、大後頭神経等の脊髄神経にも影響し反射機構を賦活化させ、さらに脳内での過敏反応や精神心理的な側面も重複し病態発現することが想定される。おそらく、鍼灸刺激はこれらの反射機序の一部に関与し症状緩和に寄与するものと考えられる。

 

Key words:鍼治療、顔面痛、顔面神経麻痺、動眼神経麻痺、神経反射
“顔面部症状(顔面痛・顔面神経麻痺・動眼神経麻痺)と鍼灸治療”

 

 

 

埼玉医科大学東洋医学センター ・たには会関東支部相談役 小俣 浩(おまた ひろし)先生

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【学 歴】
昭和58 年3 月    明治鍼灸短期大学鍼灸学部 卒業
昭和60 年3 月    ( 財) 東洋医学技術教育振興財団 東洋医学技術研修センター特別研修生過程修了
(筑波大学名誉教授 芹澤勝助教授に師事)

 

平成11 年11 月    医学博士号授与(埼玉医科大学大学院)学位論文「SjS 患者の乾燥症状に対する鍼治療効果」
( 指導教官リウマチ膠原病科・鈴木輝彦教授)
平成15 年5 月- 16 年3 月 Sweden 王国Linkoping 大学健康科学学科臨床生化学教室留学 ( 指導教官Elvar Theodorsson 教授)

 

【職 歴】
平成5 年2 月- 21 年3 月 埼玉医科大学 第二内科東洋医学部門(東洋医学科)
平成21 年4 月-現在  埼玉医科大学 東洋医学センター
昭和60 年4 月- 63 年3 月 ( 財) 東洋医学技術教育振興財団東洋医学技術研修センター臨床指導員
昭和63 年4 月-平成5 年 ( 財) 東洋医学技術教育振興財団東洋医学技術研修センター研究員
平成3 年4 月- 17 年  ( 学)早稲田医療専門学校・東洋医療鍼灸学科 講師(非常勤)
平成7 年4 月-現在  筑波大学 講師(非常勤)
平成9 年4 月- 19 年  埼玉医科大学短期大学 臨床検査科 講師(非常勤)
平成12 年- 14 年   厚生科学研究費補助金(長寿科学総合研究事業)「慢性関節リウマチに対する鍼灸治療の多施設ランダム化比較試験に関
する研究」分担研究構成員
平成15 年- 17 年   ( 学)後藤学園・東京衛生学園専門学校東洋療法臨床教育専攻科 講師(非常勤)
平成16 年- 23 年   ( 学) 大川医療学園専門学校 講師(非常勤)
平成19 年- 21 年   明治国際医療大学 講師(非常勤)
平成20 年9 月-現在  埼玉医科大学医学部2 年生選択講義 担当
平成21 年7 月-現在  明治薬科大学「薬剤師生涯学習講座」 特別講師
平成23 年8 月-現在  ( 学) 呉竹学園・東京医療専門学校鍼灸マッサージ教員育成科 講師(非常勤)

 

【賞 罰】
平成17 年1 月 第11 回日本未病システム学会優秀論文賞受賞
平成21 年11 月 埼玉県知事感謝状授与

 

【主な学会活動】
日本温泉気候物理医学会会員(評議員・用語委員会副委員長),日本自律神経学会会員(評議員),( 社) 日本東洋医学会会員(関東甲信越支部会幹事・埼玉県部会事務局長),日本統合医療学会会員(評議員・学術委員会委員),( 社) 全日本鍼灸学会会員(評議員・関東支部学術委員),埼玉鍼灸学
会会員(副会長),維持透析患者の補完代替医療研究会(世話人・事務局長),( 社) エビデンスに基づく統合医療研究会会員(評議員・学術部員),現代医療鍼灸臨床研究会(理事),日本頭痛学会会員,日本発汗学会会員,日本脳循環代謝学会会員,日本微小循環学会会員,日本神経治療学会会員,日本リウマチ学会会員,日本唾液腺学会会員,日本生理学会会員

 

【その他】
明治国際医療大学(旧明治鍼灸短期大学・明治鍼灸大学)同窓会たには会(関東支部会参与),( 財) 東洋医学技術教育振興財団同窓会・研友会(総務担当)

 

【専門分野】
東洋医学(特に鍼灸医学)及び内科疾患(リウマチ膠原病・アレルギー及び慢性腎不全他)、神経内科疾患(頭痛、脳血管障害及び老年疾患)、また基礎医学(生理学)領域での鍼治療効果の検討

 

【主な社会活動】
(公社)埼玉県鍼灸師会理事(学術部長), スポーツ鍼灸セラピー埼玉(学術部長),( 社) 老人病研究会・認知症関連事業・認知症Gold-QPD 推進メンバー(育成講座講師)

 

【有資格】
はり師・きゅう師・按摩マッサージ指圧師免許、盲学校特種教科教諭二種免許 取得

 

市民公開講座 体表医学の到来と鍼灸医療 ‐最近の皮膚科学の知見から鍼灸を見つめ直す‐

明治国際医療大学鍼灸学部 健康・予防鍼灸学教室 教授 矢野 忠 2015.1.11

 

【要 旨】  体表は皮膚で覆われています。それを広げると成人で約1.6 平方メートルにも達し、その重量はおよそ約3Kg にもなります。このように皮膚はとても大きな臓器です。しかも外に飛び出た臓器で、皮膚は外臓( 内臓に対して) とも呼ばれる所以です。  今、皮膚にはとてつもない機能が有るということが分かってきました。皮膚は、これまで「革」として捉えられ てきましたが、その機能は身体を保護する革袋としての役割をはるかに超えて、生体の防御器官として、また生体 内外の情報を交流するインターフェースとして機能しています。それらの機能はまるで脳のように情報をキャッチ し、情報を処理し、情報を発信しています。これらのことから、皮膚はまさに外界に露出した薄い脳であり、“皮 膚は考える”( 傳田光洋著『皮膚は考える』、岩波科学ライブラリー) とまで言われています。  一方、体表を診察と治療の場としてきた医療が、鍼灸です。鍼灸では、皮膚は広汎な外受容器としての身体外部 からの刺激に反応する一つの場であるとともに、身体内部の歪みを写し出す高感度のブラウン管的役割を果たして いると捉えてきました。そうした鍼灸の視点と診療の意義及びその科学的根拠が、今、皮膚科学の知見から解明さ れようとしています。また、日時診療において皮膚へのタッチングを介して診察と共に非言語的なコミュニケーショ ンがかわされますが、皮膚のこうした多様な機能を診察・治療に利用してきたのが鍼灸医療です。 本研修会では、最近の皮膚科学の知見を紹介しつつ、鍼灸を見つめ直し、鍼灸の特質について皆さんと一緒に考え てみたいと思います。

 

体表医学の到来と鍼灸医療 ‐最近の皮膚科学の知見から鍼灸を見つめ直す‐

 

明治国際医療大学鍼灸学部 健康・予防鍼灸学教室 教授 矢野 忠 【略 歴】 矢野 忠( やの ただし) 富山県 昭和20 年9 月生まれ  1970 年  東京教育大学教育学部附属理療科教員養成施設卒業  1972 年  東京教育大学(現筑波大学)附属盲学校文部教官教諭  1983 年  明治鍼灸大学鍼灸学部鍼灸学科 東洋医学教室講師  1985 年  同校 助教授  1985 年  同校 教 授  1985 年  明治鍼灸大学大学院 教授  現 在  明治国際医療大学鍼灸学部鍼灸学科 健康・予防鍼灸学教室 教授  同校大学院 教授  医学博士  大学院研究科長   (平成20 年4月から校名変更 明治鍼灸大学から明治国際医療大学となる.)